CFDのM.2(Type2280)NVMe接続SSD CSSD-M2M2TPG4NZLを実際に購入して約6か月間使ってみた感想とメリット・デメリットを実体験レビューする。
この記事はこんな人におすすめ!
- CSSD-M2M2TPG4NZLの購入を検討している
- 実際に使った感想を知りたい
CSSD-M2M2TPG4NZLの発売は2022年4月
CSSD-M2M2TPG4NZLとは
CSSD-M2M2TPG4NZLはCFDが販売しているM.2 Type2280のNVMe接続SSDの2TB版。
CFDとは
CFDとは名古屋に本社のあるシー・エフ・デー販売株式会社が展開しているPC用自作パーツのブランド名。
親会社はメルコホールディングスで、姉妹ブランドにバッファローや玄人志向がある。
CSSD-M2M2TPG4NZLの特長
CSSD-M2M2TPG4NZLには下記の特長がある。
- PCIe Gen4 x4対応
- 最大読込み速度 7200MB/s、最大書込み速度 6850MB/s
- I/Oアクセス数 1000K IOPS
PCIe Gen4 x4対応
PCIeはPCI Expressの略称で、Gen4は世代数。×4は帯域幅(レーン)の数で×1で2GB/秒の通信速度。
つまり、Gen.4 x4は約8GB毎秒(2GB×4レーン)の最大帯域幅がある。
帯域幅の値が大きいと一度に送信できるデータ量が増えるので、データ通信が短時間で済む。つまり、通信速度が速くなる。
最大読込み速度 7200MB/s、最大書込み速度 6850MB/s
シーケンシャルの最大読込み速度が7200MB/秒で最大書込み速度は6850MB/秒と高速。
Gen.4 x4の最大帯域幅は約8000MB/秒が上限。
I/Oアクセス数 1000K IOPS
IOPSとは1秒間に読み書きできるデータのインプットとアウトプット数の単位。この数値が高いほど高性能。
1000K IOPSとは1000×1000なので1秒間に100万回データを書込めるということになる。
CSSD-M2M2TPG4NZL レビュー
CSSD-M2M2TPG4NZLのレビュー。
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CSSD-M2M2TPG4NZLの仕様
フォームファクター | M.2-2280 | |
---|---|---|
インターフェース | PCI Express 4 x4 | |
対応規格 | NVMe 1.4 | |
コントローラー | PHISON PS5018-E18 | |
NANDフラッシュ | Micron B47R 3D TLC | |
キャッシュメモリ | DDR4 DRAM | |
シーケンシャル読込最大速度 | 7200 MB/s | |
シーケンシャル書込最大速度 | 6850 MB/s | |
ランダム読込み最大速度 | 1000K IOPS | |
ランダム書込み最大速度 | 1000K IOPS | |
書込耐性 | 1400TBW | |
MTBF(平均故障間隔) | 160万時間(183年) | |
保証期間 | 5年 |
CSSD-M2M2TPG4NZLの外箱
CSSD-M2M2TPG4NZLの付属品
↑付属品は無く、本体のみ。
CSSD-M2M2TPG4NZLの外観
↑両面実装基板なので、ラベル面の反対側にも基盤が実装されている。
裏表両面に実装されてる半導体の過半数は「Micron B47R 3D TLC」という名称のNANDフラッシュメモリーで表面に”IA7BG94AYA”と刻印されている。
片面4枚で表裏合計8枚実装されている。
中央付近にある”PHISON PS5018-E18-41”と刻印されている半導体はコントローラ(制御装置)。
”SK Hynix H5AN8G6NDJ”と刻印されているのはキャッシュ用DDR4メモリーだ。
- NANDとは電源がなくても記憶を保持できる不揮発性メモリー
- PHISONとは台湾のNANDフラッシュメモリーのコントローラーメーカー
- SK HynixとはDRAMやNANDフラッシュメモリーを製造している韓国の半導体会社
基本情報と健康状態
CrystalDiskInfoで見た約半年(3780時間)利用したCSSD-M2M2TPG4NZLの情報と健康状態。
17TBほど書き込んだ状態で寿命は99%の表示になっていた。
インターフェースの対応規格はNVM Express1.4となっていて一世代古いものになっている。
ベンチマーク
ストレージの転送速度を計測するベンチマークソフトのCrystalDiskMarkを使って速度を計測してみた。
ほぼOSしか入っていない状態と4割ほど容量を使った状態のどちらでも、シーケンシャルデータのQ8T1の読込み実測値は7000MB/s前後(7200MB/s)、書込みは約6800MB/s前後(6850MB/s)とほぼ仕様通りの数値が出ている。()内は仕様値
いっぽうで4割ほど容量を使った状態だとシーケンシャルデータのQ1T1のほうは約半分の値になっている。
ランダムのQ8T1は低いがQ1T1は他のSSDと比較すると悪くない値になっている。
↑SSDの性能を計測できるベンチマークソフトのAS SSD Benchmarkで計測した結果を載せておくので参考にしてほしい。
使用しているマザーボードはASUSの”ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI”で、M2スロットは最上段のCPU直結側を利用している。OSは”Windows 11 Pro”で、BIOSやドライバー類は最新の状態
内臓M2 NVMe接続SSD間の転送速度
マザーボード内臓M2スロット NVMe接続SSD間のデータ転送速度を計測してみた。
約3MBサイズのJPEGファイルが約8000個詰まった容量25GBのフォルダを”CSSD-M2M2TPG4NZL”のシステムドライブから”WD Black NVMe WDS100T2X0C”のDドライブに移動させたときの値になる。
最高で1GB/s、平均800MB/sの転送速度が出ている。
CrystalDiskMark測定値のランダムアクセス 4KQ32T1の書き込みの値に近い速度が出ていた。
“WD Black NVMe WDS100T2X0C”は読込速度3400MB/s、書込速度2800MB/sのPCIe Gen3対応のM.2 (Type2280) SSD
CSSD-M2M2TPG4NZLのメリット・デメリット
CSSD-M2M2TPG4NZLを実際に使用した感想とメリットとデメリットを書く。
デメリット
CSSD-M2M2TPG4NZLのデメリットは1つ。
- シーケンシャルデータの1MB Q8T1以外の値は良くない
シーケンシャルデータの1MB Q8T1以外の値は良くない
シーケンシャルデータの1MB Q8T1の値はほぼカタログどおりの値が出ているが、それ以外の計測項目の結果が良くない。とくに同じシーケンシャル1MBのQ1T1の結果が悪い。
連続キューであるQ8の計測結果が良い理由はキャッシュの効果が出ているためだと思われる。
メリット
CSSD-M2M2TPG4NZLのメリットは下記の1点。
- ヒートシンクが付いていないのでマザーボードの内蔵M2スロットに装着するのが簡単
マザーボードのM.2スロットに装着するのが簡単
唯一のメリットはヒートシンクが付いていないので、マザーボードのM.2スロットに装填する時にマザーボード側のヒートシンクの装着が容易になる。
もしマザーボード側のスロットにヒートシンクが無い場合はデメリットになる。
まとめ
CSSD-M2M2TPG4NZLは連続データの読み書きには強いが、それ以外の不規則に配置された小さなデータの読み書きはには弱いSSDだ。
ベンチマークの測定結果はPCのハードとソフト両面の環境に大きく影響されるので断言はできないが、すくなくともそのような傾向はあるようだ。
なので、コスパは悪いと言わざるを得ない。
SSDは主要なストレージなので他のメーカーがしのぎを削って競争しているPCパーツだ。なので、他にもっと安くて性能の良いSSDはあるのでCSSD-M2M2TPG4NZLはおすすめできない。
唯一の利点はCFDという日本のブランドという安心感だけ。
とはいえ、実際に利用していてOSの起動時間が遅いと感じることはないので体感は十分に速いSSDだ。
- 連続データの読み書き速度は速いがそれ以外のランダムデータはそれほどでもない
- とはいえ実際の体感は十分速い
- ベンチマークの値にこだわる場合はランダムデータの読み書きも速い他のSSDを買ったほうが幸せになれる