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WH-1000XM4とMDR-HW700DSを徹底比較!音質や装着感、重量感の違いなどの使用感を総まとめ

SONYのワイヤレスヘッドホンMDR-HW700DSとWH-1000XM4。
著者は2021年5月現在、
MDR-HW700DSは約5年、
WH-1000XM4は半年ほど毎日利用していて、
1日平均10時間以上はヘッドホンを利用しているヘビーユーザーでもある。

当記事ではこの2つのヘッドホンの音質や使い勝手の違いを実際に体験したことを根拠に徹底的に比較している。

この記事はこんな人におすすめ!

  • MDR-HW700DSとWH-1000XM4はどこがどう違うの?
  • MDR-HW700DSとWH-1000XM4のどちらを購入するか迷っている
  • 音質の違いや使い勝手が良いのはどっち?
  • ぶっちゃけどっちがおすすめなのか知りたい!
  • それぞれの不満箇所は?
  • それぞれを実際に使用してみた感想を知りたい

とくに、それぞれのヘッドホンの不満箇所については、あまり他で述べられることは少ないので必見だ。

MDR-HW700DSとWH-1000XM4の最大の違いは通信方式

同じソニー製ヘッドホンのMDR-HW700DSとWH-1000XM4。
この2つの最大の違いは音声データの伝送方法にある。

  • MDR-HW700DSは赤外線通信
  • WH-1000XM4はBluetooth

MDR-HW700DSのほうはソニーオリジナルの通信方式なので、専用のトランスミッタ(電波送信機)が必須になる。

それにたいして、WH-1000XM4はトランスミッタは不要で、Bluetoothでデータのやりとりを行っている。

Bluetoothとはパソコンのキーボードやマウス、スマートフォンなどの様々な機器で使われている汎用性の高い無線通信方式(規格)だ。
ただし、昔のPCや新しくても廉価な機器には搭載されていない。

2番目の違いはノイズキャンセリング(ノイキャン)の有無

前述した通信方式以外の違いはノイズキャンセリング機能の有無だ。

ノイズキャンセリング機能があるのはWH-1000XM4だけ。
MDR-HW700DSにはノイズキャンセリング機能はなく、周りの音は良く聞こえる。
この点については後程詳しく解説する。

  • ノイズキャンセリング機能があるのはWH-1000XM4だけ

3番目の違いは外部に音が漏れやすいか否か

3番目の違いはヘッドホンからの音が外に漏れやすいかどうかの違いだ。

そもそもMDR-HW700DSは屋外での利用を想定していないので、音はじゃじゃ漏れになる。なので、こっそり一人で楽しみたい内容のコンテンツを視聴しているときは周囲に人がいないか注意しないといけない。
反面、周囲の声は聞こえるので、人から話しかけられても気づきやすい。

一方、WH-1000XM4は屋外で利用することを主として設計されているので、ヘッドホンの音はほとんど外部に漏れない。当然、前述したノイズキャンセリング機能と合わさって周りの人の声も聞こえづらくなるので、人から話かけられても気づくのが困難になる。

  • 音の漏れにくさはWH-1000XMの圧勝

利用場所は室内が前提

ヘッドホンを利用する場所は家と外の両方がある。

昨今は電車通勤が減り、出社しないテレワーク(リモートワーク)が増えている。
今後はますます出社せずに在宅ワークが増えるはず。

という背景もあるので、当記事は通勤時をはじめとした電車内での利用は想定していない。
すべて家の中での利用を前提として比較をしている。

余談だが、MDR-HW700DSは屋外では利用できないので、
屋外でも利用したい場合はWH-1000XM4の一択になる。
迷う必要すらない。
だが、それだと話が終わってしまう。
この後、それぞれのヘッドホンの長所と短所も書いたので最後まで見て納得してから購入することをおすすめする。

なぜななら、MDR-HW700DSにも少なからず長所はあるからだ。
WH-1000XM4の短所はというと、ほとんどないのだが。。

MDR-HW700DSとは

そもそもMDR-HW700DSとはなんぞやという話をしておく。

SONY製のデジタルサラウンドヘッドホンシステムで発売日は2013年10月25日。
発売日から約8年も経っているにもかかわらず、後継機は発売されていない。
8年程経った今も現役である。

MDR-HW700DSのレビュー記事はこちらを参考にしてほしい↓
MDR-HW700DSを実際に6年間使ってみた口コミ評判レビュー

MDR-HW700DSを実際に6年間使ってみた口コミ評判レビュー アイキャッチ
MDR-HW700DSを実際に6年間使ってみた口コミ評判レビューソニー ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン MDR-HW700DSを実際に約6年使って感じた残念な個所や良い点をまとめてみた。 ...

MDR-HW700DSの最大の特長

9.1chの3D VPT(Virtualphones Technology)が立体的なサラウンド音場(おんじょう)を再現し、映画などのコンテンツを大迫力で楽しめるデジタルサラウンドヘッドホンシステム(バーチャルサラウンド技術)というのが最大の特徴にしてウリとなっている。

なお、サラウンドとは、
聴き手をの周囲に5つ以上のスピーカー設置し、前からも後ろからも音に囲まれるような音場のことだ。

9.1という数字はスピーカーの数にあたる。
もちろんヘッドホンなので、実際に音が出るスピーカーではなく、スピーカーがあたかも実際に周囲にあるような聞こえかたがするというものだ。
メインの左右にプラスして他に7つのスピーカがある音場環境をヘッドホンで再現している。
なお、0.1とはサブウーハー(超低域の音を出す)のスピーカーに該当する。

つまり、映画館のような臨場感ある音声をこのMDR-HW700DSのヘッドホンで聞くことができる。

2番目の特長はDTSに対応していること

”DTS”とはDVDビデオのサラウンド音声フォーマットのことで、
MDR-HW700DSは”DTS”と”Dolby Prologic IIz”の2つの規格に対応したデコーダーを備えている。

デコーダーとは圧縮された音声データを復号(再生)することができるハードもしくはソフトウェアのことで、MDR-HW700DSにはトランスミッタ(送信機)にデコーダーが備わっている。

DTS は圧縮率が低いため、デコード (デジタル音声をアナログ音声に戻す処理) の時、元になる情報量が多く高音質な音になるのが特長だ。

3番目の特長はエフェクト(音響効果)が選択できる

エフェクトとは「音響効果」という意味で、
次の3つから選択できる。

  • シネマモード :映画館の音場を再現
  • ゲームモード:マルチチャンネルサラウンドの臨場感
  • ボイスモード:2chステレオ環境下で人の声が聞き取りやすくなる

3つのモードのうち、シネマモードがいちばん臨場感があるので、他に選択の余地はなく、いつもシネマモードに固定したままだ。
他のモードに切り替えようと思ったことは一度もない。

4番目の特徴はHDMIの音声入力が3つ備わっている

トランスミッタにHDMIの入力を3系統装備しているので、テレビやブルーレイディスクレコーダー、ゲーム機など最大3つの機器と接続できる。

つまり、3台のHDMI端子を備えた機器の音声を、このMDR-HW700DSで切り替えて聞くことができる。

他の入出力端子はこの後の仕様欄に記載している。

MDR-HW700DSの仕様

ヘッドホンの仕様:

型式密閉ダイナミック型
ドライバーユニット口径50mmドーム型
再生周波数帯域5Hz-25,000Hz
インピーダンス24 Ω (1KHz)
質量約320g
電源内蔵リチウムイオン充電池(DC3.7V )
充電時間約3時間
充電方法USB充電
電池持続時間約12時間

トランスミッタ(送信機)の仕様:

到達距離最大約30m
エフェクトモードOFF、CINEMA、GAME、VOICE(STEREO)
デコーダーDTS、MPEG-2 AAC、他
出力端子HDMIx1、光デジタル(角型)x1
入力端子HDMIx3、光デジタル(角型)x1、アナログ入力(ピンジャック)x1
電源付属ACアダプター(12V, 1500mA)
大きさ(幅×高さ×奥行)220×32×157mm

MDR-HW700DSを実際に使用した感想

約5年以上利用しているが、ヘッドホンの内臓電池は新品購入時から一度も変えることなく現役で稼働している。

故障や不具合も一切ない。毎日平均10時間使用していたにもかかわらずである。

ただ、5年経過したあたりから、ヘッドホンの内臓電池(充電式リチウムイオン電池)の持ちが悪くなっているのが気になりはじめた。
このことがWH-1000XM4に乗り換えるきっかけになっている。

新品時から半分ぐらいの使用時間で電池が切れるようになり、充電する頻度があきらかに増えた。ほとんど毎日使用していることを考えると、非常にバッテリーの品質(持ち)は良く、むしろ評価できる。

そして、これはこの機種に限った話ではなく他のヘッドホンにも言えて、長期間使用していると避けてはとおれないことだが、ヘッドホンパッド(イヤークッション)の表面がボロボロと剥がれてしまう。
Amazonでは交換用の部品が数千円で販売されているが、純正品ではないので交換にはいたっていない。

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※短所については記事の後半にまとめている。

音質面はWH-1000XM4に乗り換えるまでは全く不満はなかった。

バーチャルサラウンドとうたっているだけあって、ヘッドホン特有の音が籠っていると感じたことは一度もなく、自然に音が聞こえてくる。
他の安い有線ヘッドホンとは”月とスッポン”ぐらいの差がある。

だが、そう感じて感動するのは最初の間だけで、5年も使用していると他のヘッドホンと比較する機会がなかったこともあり、感動や良い音だと思うことはまったくもってなかった。

WH-1000XM4とは

前出のMDR-HW700DSは”デジタルサラウンドヘッドホンシステム”という名称(サブタイトル)が付いているが、WH-1000XM4は”ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット”という名称が付いている。

発売日は2020年09月04日で、前機種のWH-1000XM3の後継機になる。
WH-1000XM4の具体的で詳細なレビューを別の記事で作成している↓
WH-1000XM4を1年間使ってみた口コミ評判レビュー

ソニー WH-1000XM4レビュー アイキャッチ
WH-1000XM4を1年間使ってみた口コミ評判レビューソニー ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン WH-1000XM4を実際に約1年間使用してわかった残念な個所や良い点をまとめてみた。...

前述している部分と被る箇所もあるが、次に本機の特長を記載する。

1番目の特長はノイズキャンセリング機能

まず、商品名のサブタイトルに”ノイズキャンセリング”とついていることからもわかるように、周囲のノイズ(騒音)を消すことができる機能が最大の特長にしてウリとなっている。

ノイズキャンセリング機能とはヘッドホン外部の音と同じ音をぶつけて打ち消す(キャンセル)ことで騒音を低減することができる。以前は一定の音にしか対応できなかったが、現在は人の声のような不規則な音にも対応できるほど進歩している。

WH-1000XM4 ノイズキャンセリング機能の効果

とくにこのノイズキャンセリング機能は集中したい場合に効果を発揮する。
例えば、PCのファンの音、エアコンの駆動音、人の話し声、テレビの音にも効果がある優れモノだ。
実際の感覚を数値でまとめてみた

下記の表の%表示はWH-1000XM4のノイズキャンセリング機能をOFFにした時に聞こえる音の大きさを”100%”とした場合、どの程度まで音の大きさを削減できるのかを示している。
60%減であれば4割(40%)の音量になったということ。
※正確にはノイズキャンセリング機能をONにして、中ぐらいの音量で音楽を流した(聞いている)状態での検証になる。

PCのファン音95%減:ほとんど聞こえくなる
エアコンの駆動音80%減:ほぼ聞こえなくなる
話し声70%減:ほぼ聞こえなくなる
テレビの音60%減:耳をすませば聞こえる程度(元々の音量にもよる)

これらはあくまでも目安であり、個人差や状況により異なるはずだ。
いずにせよ、効果てきめんなのがおわかりいただけるだろう。

2番目の特長はBluetooth接続

続いて、”ワイヤレス”の部分。
通信方式は汎用的なBluetoothを採用しており、スマートフォンはもちろん、Bluetoothを搭載している機器なら何でも接続可能だ。

3番目の特長はDSEE Extreme

DSEE Extreme(高音域補完)とはMP3やストリーミングの圧縮音源をハイレゾ級の高音質に変換して、圧縮により失われた音源本来の周波数特性をより高精度に再現することで、臨場感あふれる高音質にすることができる技術のこと。

ようは、ハイレゾ(CDを超える情報量を持つ高音質音源)以外の音声を高音質に変換する機能だ。
ただし、Windows上で再生された音声については本機能は利用できない。
なぜならWindowsでは対応していないからだ。
現状ではスマートフォンで再生した音楽であればほぼすべて本機能が利用できる。

実際に本機能を利用すると、スマートフォン上でYouTube動画を再生した時の音声は、非常に音情報が濃密で細かな音まで再生できている。

4番目の特長はスマホ専用アプリ

スマートフォンの専用アプリ「Headphones Connect」で、さまざまな機能をアプリ上でカスタマイズ可能だ。
なおこの専用アプリはPC(Windows)では利用できない。

専用アプリ「Headphones Connect」で設定できる機能:

  • イコライザー(EQ):音域を調整できる
  • ノイズキャンセリング機能:ON/OFFや外音の取り込み方のレベルを22段階で調整可能
  • ヘッドホンのバッテリー残量を%表示で確認できる

WH-1000XM4の仕様

ヘッドホンの仕様:

型式密閉ダイナミック型
ドライバーユニット40mm ドーム型(CCAWボイスコイル採用)
再生周波数帯域4Hz – 40,000 Hz
インピーダンス40 Ω (1KHz)
質量約254g
電源内蔵リチウムイオン充電池(DC3.7V )
充電時間約3時間
充電方法USB充電
電池持続時間最大30時間(NC ON時)

Bluetoothの仕様:

通信方式Bluetooth標準規格 Ver.5.0
最大通信距離約10m
対応コーデックSBC, AAC, LDAC

WH-1000XM4を実際に使用した感想

WH-1000XM4を最初に使用したときの感想は音が籠って聞こえることだった。

MDR-HW700DSを5年以上使っていた後だからなおさらそう感じたともいえる。

次に感じたのはノイズキャンセリング機能をONにするとパソコンの稼働音であるファンの音がまったく聞こえなくなった。これには素直に凄いと思った。

その次に感じたことは、音楽の細かい音まで聞こえてくることだ。

音の解像度が高いという言葉は聞いたことがあったが、
実感したことはなかったので、本機で初めてそれが体感できた。

MDR-HW700DS VS WH-1000XM4

いよいよ肝心かなめの本題に入る。

まず、最初に結論をいうと、

おすすめはWH-1000XM4だ。

では、なぜそういえるのか1つずつ説明していく。

音質

まずはそれぞれのヘッドホンの音を数値化して比較してみた。

MDR-HW700DS:15点満点中 9点
 
解像度
高音
低音
WH-1000XM4:15点満点中 13点
 
解像度
高音
低音

音の解像度と低音はWH-1000XM4のほうが優れている。

とはいえ、実際はどちらも大きな差はない。
人によってはMDR-HW700DSのほうが良い音だと評価するかもしれない。
ヘッドホン特有の籠った感じがまったくしないからというのも大きい。
それぐらいどちらも良い音質だ。

MDR-HW700DSと比較すると、WH-1000XM4はノイズキャンセリング機能の兼ね合いもあるので、
どうしても音が籠ったように聞こえる。
良くも悪くもヘッドホンらしいということだ。

ただ、音の細かい音(解像度)はWH-1000XM4のほうがあきらかに優れている。
それはカタログスペックにも表れていて、
再生周波数帯域が MDR-HW700DS の 5Hz – 25,000Hzにたいして
WH-1000XM4 のほうは 4Hz – 40,000 Hzもあり、再生できる音の範囲が広いため、小さな音や高い音までもれなく再生できるわけだ。
つまり、両機では聞こえてくる情報量に圧倒的な差がある。
これは私には容易に体感できた。

使用感

次に実際にヘッドホンを頭に装着したときの感じを比較した。
長時間使用することが多いヘッドホンの使用感は非常に大事だ。

※重量感と圧迫感はないほうが点数を高くしている。

MDR-HW700DS:15点満点中 12点
 
つけ心地
重量感
圧迫感
WH-1000XM4:15点満点中 9点
 
つけ心地
重量感
圧迫感
 
ヘッドホンの重量比較
MDR-HW700DSカタログ値:410g
WH-1000XM4カタログ値:254g

WH-1000XM4はヘッドバンドの長さが短く、クッション部の幅も狭いので、長時間使用していると頭頂部が痛くなることがある。

頭が大きい場合はバンドの伸縮幅が短いWH-1000XM4はつけ心地が悪くなる可能性が高い。
その逆に、頭が小さい場合はWH-1000XM4のほうがつけ心地が良い可能性がある。

全体的な使用感、装着感はMDR-HW700DSのほうが優れている。
重量があるにもかかわらず使用感が良いのは素晴らしい。

機能面

バッテリー持続時間や、充電方法、電源のON/OFFなどの便利な機能を比較してみた。

なお、両機で比較出来ないノイズキャンセリング機能をはじめとした、片方の機種にしか付いていない機能はここでは割愛している。※上記の特長の項目に記載している。

バッテリー

バッテリーの持続時間
MDR-HW700DS約12時間
WH-1000XM4約30時間

これだけ見ればWH-1000XM4のほうが2倍以上あり圧勝だが、
実際はDSEE Extreme機能をON(Auto)にすると持ち時間は約半分の15時間ほどになり、
実際の使用においても、上記のカタログどうりの時間までバッテリーがもたないことを確認している。
よって両機のバッテリー持続時間に大差はないことになる。

つづいて、バッテリーをフル充電するのにかかる時間を比較する。

バッテリーのフル充電時間
MDR-HW700DS約3時間 ※30分の充電で約2時間の再生が可能
WH-1000XM4約3時間 ※10分の充電で約5時間の再生が可能

バッテリーの持続時間と充電時間に大差はない

充電方法

充電する方法はどちらもUSB充電で、USBケーブルを直接接続して充電するのだが、端子の形状が異なっている。

バッテリーのUSB充電端子の形状
MDR-HW700DSMicro USB(Type-B)
WH-1000XM4USB Type-C(タイプC、USBC)

充電方法は上下どちらの向きでも接続できるUSB Type-Cを採用しているWH-1000XM4のほうが優れている。

とくに暗い場所で充電ケーブルを挿すときには向きの有無の差は大きい

オートパワーOFF

どちらにもヘッドホンを頭から外すとヘッドホンの電源が自動でOFFになる機能が備わっている。

違いはWH-1000XM4にはスマホアプリ(専用アプリ「Headphones Connect」)で自動電源オフ機能を停止することができる点だ。

オートパワーOFF機能はどちらも標準装備されている

実際の使用感比較

まず、前提条件が下記のように異なる。
MDR-HW700DSはスマホ以外のPCやAV機器でしか使用できない。
つまり、スマホでは利用できない。

一方、WH-1000XM4ではスマホはもちろん、Bluetooth機能を搭載した機器となら何でも利用できる。

と前置きしたうえで両機を実際にPCとスマホで使用する場合、最初の接続時に必要な作業は次のようになる。

MDR-HW700DS:
PC基本的にはパソコンの電源を入れると即使える
スマホ使用不可
WH-1000XM4:
PCBluetoothの接続作業が必要
※2021年6月頃のアップデートでBluetooth接続作業が不要になった
スマホBluetoothの接続作業が必要

MDR-HW700DSはPCのOSが起動すれば即利用できるが、
WH-1000XM4は接続する機器の種類にかかわらず、Bluetoothの接続作業が必要なので、めんどくさい!

※2021年6月頃のアップデートでWH-1000XM4を”PC”で利用するときのBluetooth接続作業は不要になった。ただし、PCの構成などの環境によっては手動で接続しないといけない場合もある。

それぞれの短所

長所は述べてきた通り。ここではまだ述べていない短所を挙げてみた。

MDR-HW700DSの短所はWiFiと電波干渉してノイズが入る

スマートフォンのWiFi(電波)と干渉してノイズが入る。
これが最大の短所だ。

なお、以降はすべて近くにスマートフォンがあった場合を前提としている。
もちろんスマホが近くに無い場合はノイズが入ることはない。

例えば、スマホでLINEのメッセージを送信するだけでも一瞬、
大きなデータ、ましてやソフトのアップデートなどの大きなデータをダウンロードしている最中はずっとノイズを聞かされることになる。
スマホである程度の大きさのデータのやり取りが発生すれば毎回必ずノイズは発生する。
少ないデータ量ではノイズは発生しない。

具体的にどのようなノイズ音かといえば、昔のテレビの砂嵐やラジオの周波数の合っていないときの”ザー”という比較的小さな音量のノイズ音に支配されてしまい、元の聞いていた音はまったく聞こえなくなる。

このWiFiの電波と干渉する対策としてトランスミッタ側で電波の帯域幅を変更(2.4GHzと5GHz)できるのだが効果はほとんど無い。

MDR-HW700DSは8年以上前に設計され販売された製品なのでこればかりはどうしようもないだろう。後継機があればそちらに期待したい。

WH-1000XM4の短所は3つ

WH-1000XM4の短所は3つある。

ひとつめは、スマホで利用するときの毎回のBluetooth接続がめんどくさいこと。
※PCでの利用時は自動でBluetooth接続されるように、2021年6月頃にアップデートされている。ただし、PC環境によっては自動で接続されない。その際は現在でも手動で接続する必要がある。

ふたつめは、ヘッドバンドが小さく、最大に伸ばして利用しても長時間経つと毎回頭頂部が痛くなる。左右の締めつけがキツイ。この点が重さは軽いが実際の使用感は悪い原因だ。

こればかりは、どちらも仕様なのでどうしようもないだろう。

とくにBluetooth接続という仕組みを利用している以上、スマホと毎回接続する手間は避けてはとおれない。汎用性と利便性とのトレードオフになっているわけだ。

ついでにいうと、WH-1000XM4もBluetoothの接続がたまに切れたり、ノイズが発生することがある。
PCであれば自動で再接続するので気にはならない。原因は不明だ。

で、最後の3つ目の短所は充電中はヘッドホンが利用できないことだ。
これはヘッドホンのヘビーユーザーの場合は最も痛い点だ。
いくら15時間バッテリーが持つとはいえ、
充電するのを忘れる日なんてざらにある。

10分の充電で約5時間の再生が可能なのだが、
音楽は最高の音質の状態で聞きたいのはいうまでもなく誰もが考えることなので
DSEE Extreme機能は常時ON(Auto)にするのが普通だ。
すると10分間の充電だと実際に再生できる時間は半分の2.5時間になる。

いずれにせよ、充電時間の長さにかかわらず、充電中はヘッドホンが使えなくなる事実は変わらない。

MDR-HW700DSは充電中でも使用できるので、
この点だけは残念でならない。

まとめと結論

ホームシアターでの映画鑑賞で、ブルーレイやDVDプレイヤーなどでヘッドホンを利用したい場合はMDR-HW700DSがおすすめ!

Hulu(フールー)やAmazonプライム・ビデオ、Netflix(ネットフリックス)などのオンライン配信の映画をスマホで観る場合や、ブルーレイデッキなどのAV機器は持っていない場合、そもそも映画は見ない場合はWH-1000XM4の一択!迷う必要もない。

PCでヘッドホンを利用するのがメインの場合もWH-1000XM4がおすすめだ。
なんといってもノイズキャンセリング機能の有無の差はデカい!

なお、PC(パソコン)の場合はBluetoothが付いていない古いデスクトップPCでも下記のUSBトングルを利用すればWH-1000XM4は利用できる。
しかもWindows 10ならめんどくさいソフト(ドライバーなど)のインストールは一切不要で、PCのUSBポートに接続すれば即使える。↓

ちなみに、著者はPCを起動しているときはほとんどヘッドホンで音楽を聞いている。
下手すると起きている間中、風呂と食事以外の時は頭にヘッドホンを装着したまま生活している。
頭にヘッドホンがのっかっているのが当たり前になっているわけだが、
MDR-HW700DSの時は何時間装着していても頭が痛くなることはまったくなかった。
だが、WH-1000XM4は長時間装着していると頭頂部が痛くなる。

WH-1000XM4購入後は、MDR-HW700DSから完全にWH-1000XM4に乗り替える予定だったが、完全には乗り換えず、MDR-HW700DSは退役させずに稼働させている。

頭が痛くなった時や電池が切れた時の予備のヘッドホンとしてMDR-HW700DSをたまに利用している。
なので、MDR-HW700DSの退役はまだずいぶんと先になりそうだ。

2021年7月追記:
2021年6月頃のWindowsアップデートのおかげで、PCとWH-1000XM4のBluetoothが自動的に接続されるようになってからは、
MDR-HW700DSを使用する機会は激減している。

WH-1000XM4の具体的で詳細なレビュー記事はこちら↓
WH-1000XM4を1年間使ってみた口コミ評判レビュー

WH-1000XM4で発生した具体的な不具合症状や修理依頼から返却迄の間にあったやり取りの一部始終をまとめたのでこちらの記事を参考にしてほしい↓
WH-1000XM4で不具合 ノイズキャンセリングでハウリングと異音が発生!修理から返却までの一部始終を実体験レポート

MDR-HW700DSのの詳細なレビュー記事はこちら↓
MDR-HW700DSを実際に6年間使ってみた口コミ評判レビュー

WH-1000XM4を購入する際、著者のように頭が平均よりも大きい場合は、頭頂部が痛くなる可能性があるので、実際に店頭で試着してから購入したほうが賢明かもしれない。

総まとめ

ノイズキャンセリング機能が素晴らしいのでWH-1000XM4がおすすめ!
ただし、ブルーレイやDVDプレイヤーでのサラウンドの効いた映画鑑賞がメインの場合はMDR-HW700DSもおすすめ!