ASUSのATXマザーボード ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIを実際に購入して使ってみた感想とメリット・デメリットを実体験レビューする。
この記事はこんな人におすすめ!
- ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの購入を検討している
- 実際に使った感想を知りたい
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの発売は2021年12月
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIとは
ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIはASUSが販売しているMicroATX対応のマザーボード。
ASUSとは
ASUS(エイスース)とは台湾に本社のあるPCパーツや周辺機器のメーカー。
マザーボードやスマホ、液晶ディスプレイなど様々な製品を製造販売している。
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの特長
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIには下記の特長がある。
- BIOSアップデートで第13世代インテルCPU(Raptor Lake-S)に対応
- インテル Z690チップセット搭載で28レーン使用可能
- PCIe Gen5.0 x16スロット搭載 ※CPU側レーンを使用
- PCIe Gen4.0 x16(最大x4で動作)スロット×1、Gen3.0 x1スロット×1
- DDR5メモリー対応
- M.2 MVMe PCIe Gen4.0 x4スロット ×3
- 冷却関連のファンヘッダー4ピンを6個搭載
ASUSの”ROG STRIX Z690”シリーズはマザーボードのサイズによって下記の型番がある
- ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI → MicroATX
- ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI → ATX
- ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI → Mini ITX
BIOSアップデートで第13世代インテルCPU(Raptor Lake-S)に対応
BIOSをバージョン2103以上の最新版にアップデートすることでソケットLGA1700のコードネーム Raptor Lake-Sのインテル第13世代CPUのCore i9 13900Kなどに対応する。
Raptor Lake-S CPUの特徴は一世代前の12世代CPUのCore i9 12900Kよりもコア数とスレッド数が増え、最大動作周波数も向上している。
上位互換なので第13世代より前のLGA1700に対応した12世代の12900KなどのCPUもすべて利用可能。
インテル Z690チップセット搭載
インテルのZ690チップセットはオーバークロックできることが最大の特長。
同じインテルのH670やB660チップセットはオーバークロックできない。さらにPCIeレーン数(全帯域の合計数(通信速度の最大合計値))が少ないので、拡張性とPC全体の転送(通信)速度のパフォーマンスがZ690よりも劣る。
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIはチップセット側の28レーンとCPU側の20レーンの合計48レーン使用可能。
レーン数とは、例えば” PCIe Gen4.0 x4”の最後のx〇の部分の数のこと。
この各パーツ毎に設けられたレーン数の合計値がマザーボードのレーン数の上限を超えると帯域不足(通信速度の上限超過)となって性能をフルに発揮できなくなり、本来のパフォーマンスが発揮できない。
チップセット名 | Z790 | Z690 | H670 | B660 |
---|---|---|---|---|
マザーボード最大レーン数(転送速度合計) | 28 | 28 | 24 | 14 |
内 PCIe4.0最大レーン数 | 20 | 12 | 12 | 6 |
内 PCIe3.0最大レーン数 | 8 | 16 | 12 | 8 |
PCIe Gen5.0 x16スロット搭載
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの最上段に設けられたPCIe Gen5.0スロットは最大16レーンに対応しており、チップセット側のレーンではなく、CPU側のレーン数を消費する。
ちなみに、インテル第13世代と12世代のCPUの最大PCIeレーン数はGen5.0が最大16レーン、Gen4.0が4レーン(M.2スロット)。
PCIe Gen4.0 x16(x4で動作)スロット×1、Gen3.0 x1スロット×1
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの最上段以外のPCIeスロットは2つ。
PCIeスロットは最上段の下から”Gen3.0x1″、”Gen×4.0×16(最大x4)”の順に並んでいる。
一番下のスロットの形状はx16サイズだが、使えるレーン数はx4なので、一番下のPCIeスロットにハイスペックのグラフィックスカードを挿しても性能をフルに発揮できない。
レーン数とスロット数を混同しないよう気を付けてほしい
DDR5メモリー対応
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIはDDR5メモリーにしか対応していない。
メモリースロットの切りかけ形状が異なるのでDDR4メモリーは利用できない。
メモリーの最大合計値は128GBに対応している。
M.2 MVMe PCIe Gen4.0 x4スロット ×3
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIはM.2 NVMeスロットが3つ付いている。
最大転送速度はどのスロットもGen4.0x4。
マザーボードの一番上のCPUソケット側に付いているM.2スロットはCPU側のレーンを消費する。
それ以外のM.2スロットはチップセット側のレーンを消費する。
冷却関連のファンヘッダー4ピンを6個搭載
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIには冷却ファンなどに利用できる4ピンのファンヘッダが6個付いている。
そのうち、1つは簡易水冷CPUクーラーのポンプなどに利用できる、AIO PUMP用なので回転数は調整できず常時フルスピードで動作する。
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI レビュー
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIのレビュー。
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ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの仕様
フォームファクター | MicroATX |
---|---|
チップセット | インテル Z690 |
CPUソケット | LGA1700 |
対応メモリー (最大容量) | DIMM DDR5 (128GB) |
メモリースロット数 | 4 |
PCI-Expressスロット数 | x16:2本(Gen5:1本、Gen4:1本(×4動作))、x1:1本 |
M.2 MVMeソケット数 | 3 (すべてGen4×4、最上段はCPUレーンを使用) |
SATA(6.0G)端子数 | 6 |
USB端子 | 背面側:合計10ポート ボード端子側: |
ディスプレイ出力端子 | DisplayPort×1(最大8K)、HDMI×1(最大4K) |
LAN | Intel 2.5Gb LAN |
WiFi | WiFi 6E (802.11 a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.2 |
オーディオ機能 | ROG SupremeFX 7.1 Surround Sound High Definition Audio CODEC ALC4080 |
音声端子 | 光デジタル角形出力ポート×1、オーディオ各種入出力端子×5 |
BIOS | 256MBフラッシュROM、UEFI AMI BIOS |
保証期間 | 購入日から1年間※正規代理店保証 |
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの外箱
↑内箱の左側に無線通信(WiFi/Bluetooth)用の外部アンテナとSATAケーブルが4本入っている。
↑箱の中敷き下の右側にユーザーガイドとドライバーDVD-ROMが入っている。
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの付属品
↑ユーザーガイドと同じものをASUSのWebサイトからPDFでダウンロードできる。
DVD-ROM内のドライバーやユーティリティーソフトもダウンロード可能。
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIの外観
CPUソケット
↑LGA1700はマザーボード側のピンが凸状になっているので、ピンに触れて曲げてしまうとマザーボードが使用不能になるので要注意。
ソケットLGA1700のCPUの形状は正方形ではなく、長方形になっているのでCPUクーラーを装着すると反りが発生し、密着性が落ちて冷却性能が低くなったり、マザーボード側の凸状ピンが曲がる可能性がある。
もし心配な場合はスペーサープレートを利用すれば不安は解消される。
ただし、その場合は既存の金具を取り外す必要があるので、交換作業中にCPUピンが曲がってしまい、本末転倒な結果になってしまう可能性がある。
メモリースロット
PCI Expressスロット
↑PCIeスロットは上からGen5.0x16、Gen3.0x1、Gen4.0x16(最大転送速度はGen4.0x4)
M.2 MVMe スロット
↑M.2スロットは3つあり、真ん中以外のスロットの底部に冷却シートが張られている。
MVMe SSDを装着するのは簡単で、M.2スロットに斜めにSSDを挿してから、反対側に付いているラッチを回転させて固定するだけだ。
ヒートシンク
↑M.2スロットのヒートシンクの裏側には冷却シートが張り付けられている。
最初は冷却シートの上に保護フィルムがついているので、剥がしてから使用する。
SATA端子
↑SATA端子が6個付いている。
バックパネル
↑写真、左上から下記の端子が並んでいる。
- DisplayPort
- HDMIポート
- USB2.0 Type-Aポート
- USB2.0 Type-Aポート(BIOS FlashBackポート兼用)
- CMOSクリアボタン(BIOS設定初期化用)
- BIOS FlashBackボタン(BIOSアップデート用)
- USB 3.2 Gen 1 Type-Aポート ×4個
- USB 3.2 Gen 2 Type-Aポート
- USB 3.2 Gen 2 USB Type-Cポート
- インテル2.5Gb イーサネットポート(有線LAN端子)
- USB 3.2 Gen 2 Type-Aポート
- USB 3.2 Gen 2×2 USB Type-Cポート
- 無線通信用アンテナポート×2個
- オーディオポートオレンジ:センター/サブスピーカー用
- オーディオポート黒:リアスピーカー用
- 光デジタル S/PDIF 出力ポート
- オーディオポート青:ライン入力
- オーディオポート緑:ライン出力
- オーディオポートピンク:マイク入力
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIのメリット・デメリット
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIを実際に使用した感想とメリットとデメリットを書く。
デメリット
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIのデメリットは1つ。
- バックパネル側の全てのUSBポートで転送速度低下の不具合が発生(現在は改善済)
バックパネル側のUSBポートで転送速度低下の不具合が発生(現在は改善済)
マザーボードのバックパネルに設けられているすべてのUSBポートに接続したストレージの転送速度が著しく低くなる不具合が発生し、まともには利用できない状態に陥ったことがデメリットだ。
マザーボード側のUSB用ヘッダーピンに接続したUSBポートには転送速度低下の不具合は発生しなかったので、拡張カードを後付けして利用していた。
現在はBIOSのアップデートで転送速度が低下する不具合は改善されている。
メリット
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIのメリットは下記の1点。
- すべてのM.2スロットにヒートシンクが付いている
M.2スロットにヒートシンクが付いている
すべてのM.2スロットにヒートシンクが付いていることがメリットになる。
同じASUSのROGよりも廉価なTUFシリーズのマザーボードは、真ん中のM.2スロットにヒートシンクは付いていない。
まとめ
ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFIはASUSにしては、珍しくバックパネル側USBポートの転送速度低下の不具合が起きたが、それ以外はとくに問題のない比較的安定性が高いマザーボードだ。
マイクロATXなのでATXよりもマザーボード側に接続する電源用の8ピンケーブルが1本少なくて済むので、低電力で稼働させることができるが、PCIeスロットが少ないので拡張性は低い。
同じASUSのTUFシリーズと比較すると、マザーボードのチップの上にヒートシンクが付いていたりと機能性が高く、マザーボード上の部品やBIOS画面のデザインも高級感があるし、ステッカーなどの付属品が多かったりする。
満足感はROGシリーズのほうが高いので、細部の機能や品質にこだわりがある場合や、予算に余裕のある場合は、おすすめのマザーボードだ。
- 高価だが、ヒートシンクの有無などの細部に価格分が反映されている
- 万が一不具合があってもBIOSアップデートで改善される可能性は高い
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