センチュリーの3.5インチSATA×5ベイのHDD多段ケースCRCM535U31CISを実際に3年間使用してわかった残念な個所や良い点をまとめてみた。
この記事はこんな人におすすめ!
- CRCM535U31CISのリアルな感想を知りたい
- CRCM535U31CISの良い点だけじゃなく悪い点が知りたい
CRCM535U31CISの発売は2018年7月
CRCM535U31CISのレビュー
CRCM535U31CISは「裸族のカプセルマンション 5BAY」という名称で販売されている3.5インチSATAのHDDやSDDを最大5個搭載できる外付けのケースで、USB3.1規格のUSB Type-CケーブルでPCと接続して利用することができる。
USB3.1の通信速度は高速なので内蔵のSATA接続のHDDと遜色ないデータ転送速度が出るのが最大の特長だ。
CRCM535U31CISの特長
- それぞれのベイには独立した電源スイッチが搭載されている
- USB3.1 Gen.2ハブ機能とデイジーチェーン機能を搭載しているので周辺機器同士を繋ぐことができる
- 背面に12cmファンを1基搭載しているので冷却性は高い
- 高速なUSB3.1 Gen.2インターフェイスを搭載
- PCの電源と連動して自動的にHDDを回転・停止させる電源連動機能を搭載
- 盗難防止用ケンジントンロックに対応。別売りのセキュリティーワイヤーを利用可能
CRCM535U31CISの仕様
製品名 | 裸族のカプセルマンション 5Bay |
---|---|
型番 | CRCM535U31CIS |
本体寸法 | 幅150 × 高さ185 × 奥行267mm |
本体重量 | 約4.5キロ |
付属品 | USB Type-A → Type-Cケーブル、USB Type-C → Type-Cケーブル、電源ケーブル、ロックキー、取扱説明書と保証書 |
CRCM535U31CISの付属品
↑本体と各種ケーブルとロックキー、取扱説明書が入っている。
CRCM535U31CISの外観
CRCM535U31CIS本体裏面の接続端子
↑本体裏面の左から順に次の用途に利用する端子とスイッチ類になっている
- ケンジントンロック(セキュリティーワイヤー)接続用の穴
- USB3.1 Gen.2のメインUSB Type-C端子。こことPCとをケーブルで繋ぐ
- USB3.1 Gen.2のハブ用のUSB Type-C端子。同じ規格の端子を持つ周辺機器を繋ぐことができる
- 主電源スイッチ。ここで通電のオンとオフをする
- 電源ケーブル接続用の穴
CRCM535U31CISの冷却ファン
↑本体背面に12センチの冷却ファンが1つ搭載されている。
回転数は約1000rpmと低回転で音は静かだ。
CRCM535U31CISの本体内部
CRCM535U31CISにHDDを入れたようす
↑HDDを3台利用する場合は熱対策で一段空けている。
ちなみに、HDDベイの蓋はロックしないでも電源が入るタイプなのでロックは不要
CRCM535U31CISを3年間使用した感想
実際にCRCM535U31CISを3年間使って感じた良かった点と残念な点を書いてみた。
CRCM535U31CISの残念な点
残念な点は下記の3点。
- 本体重量が重い
- 電源連動機能で電源がOFFになっても発熱する
- ゴム足がズレる
①本体重量が重い
この重量が重いのが一番残念な点だ。HDDを入れると総重量は5キロ以上になる。
重量にくわえてサイズも奥行きが27センチと長いので気楽に移動させる用途には向いていない。ノートPCと一緒に移動させて使うのは大変だ。移動させない固定されたディスクトップ型PCに接続して使う用途のほうが向いている。
センチュリーの公式Webサイトには”アルミボディを採用”と記載されているが、それを鵜呑みにしてはいけない。実際は外装も内装も鉄製だ。どこの場所をアルミボディといっているのか具体的な記載がないのでWebサイトの表記は不親切に感じる。
実際にアルミ製になっていることを確認できた部位は本体正面のベイの蓋の表面外装のほんの僅かの部位だけだ。つまり、ほんの僅かな微々たる箇所にしかアルミニウムは採用されていない。蓋の化粧パネル(蓋の表面外装)以外はすべて鉄製だ。どうりで本体重量が重いわけだ。
公式Webサイトの”アルミボディを採用”というのはあまりにも誇張しすぎ
②電源連動機能で電源がOFFになっても発熱する
CRCM535U31CISにはPCの電源と連動して自動的にHDDと冷却ファンの稼働もオフになる機能が備わっている。たしかにPCの電源をOFFにすると、それに連動してHDDとファンもOFFになって停止する。
しかし、通電して電流が流れた状態のままなので、本体のボディが発熱して熱がこもってしまう。
他の外部スピーカーなどの電気製品も同様に通電はしているので若干発熱することはある。
ところが、このCRCM535U31CISは通電状態になっているだけでもかなりの熱が発生する。解決方法として、本体背面にある主電源スイッチをOFFにすれば済む話なのだが、奥行きが27センチと長いので直ぐには手が届かない。おまけに背面の主電源スイッチの両隣には電源とUSBケーブルが刺さっているのでスイッチを操作するのも大変だ。
なので、今ではスイッチ付きのコンセントに電源ケーブルを繋げて、そのコンセント側のスイッチで主電源のONとOFFを操作することで発熱問題を解決している。
③ゴム足がズレる
設置する環境にもよるが、長期間使用ていると熱によってゴム足の接着剤が溶けて最初のゴム足が貼り付けてあった位置からズレてしまう。とくに気温の高い夏場によくズレる。これは当製品だけの欠点ではなく同じようなゴム足が付いている他のPCケースなどでも全く同様の状態になる。
CRCM535U31CISの良い点
3年間使っていて良いと感じる点は下記の2つ。
- 転送速度が内蔵SATA接続とほぼ同じ
- 12センチの冷却ファンなので音が静か
転送速度が内蔵SATA接続とほぼ同じ
内蔵SATA接続のHDDと遜色ないデータ送受信速度が出ることがCRCM535U31CISのもっとも良い点だ。
このことの最大のメリットはノートPCや小型のPCに、HDDの増設が簡単にできるという恩恵をもたらしたことだ。
つまり、小型のPCやタブレット等のサイズや姿形に関係なく、USB3.1に対応したインターフェース(端子)さえ備わっていれば、CRCM535U31CISを使うことで最大5台の内臓SATA接続HDDを使っているのと性能的には等しい環境になる。
12センチの冷却ファンなので音が静か
CRCM535U31CISの背面に搭載されている冷却用のファンサイズは12センチと大型で、かつ1000rpmと低回転なので稼働時の音が非常に静かでほとんどファンの音はしない。全く気にならないし、いまだかつて気になったことも無い。
これは実際に製品を使わないと実感しにくいし、他の類似のHDDケースを使った経験があり、それと当製品を比較することで初めて気づくことだ。
この静音性は隠れて目立たないがCRCM535U31CISの優れた点だといえる。
いっぽうで12センチのファンを搭載するスペースを確保するために大きなサイズを必要としている。
つまり、大きな筐体サイズとファンの静音性はトレードオフになっており、コンパクト性と静音性のどちらか一方しか成立しない見本のような製品だと言える。
感想まとめ
本体重量が重く、PC側の電源をOFFにしても筐体に熱がこもる。この2点が残念な点だ。
いっぽう、転送速度が内臓SATA接続HDDとほとんど変わらないほど速いのと、冷却用ファンの音が静かなことが良い点になる。
CRCM535U31CISレビューまとめ
CRCM535U31CISの最大の特徴は内蔵SATA接続のHDDと転送速度はほとんど同じだということと、5台のHDDが搭載できて同時に利用できることだ。
しかし、1TBあたりのHDDの容量の最安値は8TBなので、5台同時にHDDを入れて使うことは当方の環境では一度もなかった。実際に今は8TBのHDDを3台入れて利用しているので、もっと軽量な3個ベイのケースでも良かったと感じている。
そして、3.5インチHDDの奥行サイズの約2倍の奥行きがあるように本体サイズが大きいので、もっと小さいサイズのをものを購入すればよかったとも感じている。
だが、筐体サイズが小さくなるほど冷却ファンが小型化して回転数が高くなるので騒音が気になってしまうだろう。
理想は重量が軽く奥行きが短くコンパクトで、静かで大型の冷却ファンを搭載している製品になる。しかし今現在、その両方を満たす製品はないので、このCRCM535U31CISがベストなのかもしれない。
USB Type-Cの高速データ転送速度で12センチファンを搭載している市販の多段HDDケースはこのCRCM535U31CISだけ