CrucialのM.2(Type2280)NVMe接続SSD CT4000P3PSSD8JPを実際に購入して使ってた感想とメリット・デメリットを実体験レビューする。
この記事はこんな人におすすめ!
- CT4000P3PSSD8JPの購入を検討している
- 実際に使った感想を知りたい
- ベンチマーク結果を知りたい
CT4000P3PSSD8JPの発売は2022年8月
CT4000P3PSSD8JPとは
CT4000P3PSSD8JPはCrucialが販売しているM.2 Type2280のNVMe接続SSDの4TB版。
Crucialとは
Crucial(クルーシャル)とは1978年に創業したアメリカに本社のある、半導体メモリー(主記憶装置/DRAMなど)を開発・製造・販売しているマイクロン・テクノロジー株式会社が展開しているブランド名。
CT4000P3PSSD8JPの特長
CT4000P3PSSD8JPには下記の特長がある。
- メモリーセルがQLC(クアッドレベルセル)なので安価だが耐久性は低い
- PCIe Gen4 x4対応
- 最大読込み速度 4800MB/s、最大書込み速度 4100MB/s
- MTBF(平均故障間隔)150万時間
メモリーセルがQLCなので安価だが耐久性は低い
QLCのメモリーセルは1個当たりの処理量が多く負荷が掛かるため耐久性は低くなるが、製造コストがかからないので製品が安価という特長がある。
PCIe Gen4 x4対応
PCIeはPCI Expressの略称で、Gen4は世代数。
×4は帯域幅(レーン)の数で×1で2GB/秒の通信速度なので、Gen.4 x4は8GB毎秒(2GB×4レーン)の最大帯域幅がある。
帯域幅の値が大きいと一度に送信できるデータ量が増え、データ通信が短時間で済むので通信速度が速くなる。
最大読込み速度 4800MB/s、最大書込み速度 4100MB/s
連続データの最大読込み速度が4800MB/秒で最大書込み速度は4100MB/秒。
Gen.4 x4の最大帯域幅は約8000MB/秒が上限なので約6割の速度になる。
MTBF(平均故障間隔)150万時間
MTBFとは故障するまでの平均時間のことで、この値が高いほど信頼性が高くなる。
150万時間は年に変換すると171年になる。
CT4000P3PSSD8JP レビュー
CT4000P3PSSD8JPのレビュー。
こちらと同じ商品↓
CT4000P3PSSD8JPの仕様
フォームファクター | M.2-2280 | |
---|---|---|
インターフェース | PCI Express 4 x4 | |
対応規格 | NVM Express 1.4 | |
SSDコントローラー | Phison E21T | |
NANDフラッシュ | Micron 3D QLC NAND | |
キャッシュメモリ | 不明 | |
シーケンシャル読込最大速度 | 4800 MB/s | |
シーケンシャル書込最大速度 | 4100 MB/s | |
ランダム読込み最大速度 | 650K IOPS | |
ランダム書込み最大速度 | 900K IOPS | |
書込耐性 | 800TBW | |
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間(171年) | |
保証期間 | 5年 |
CT4000P3PSSD8JPの外箱
CT4000P3PSSD8JPの付属品
↑付属品はM.2スロット取付用ネジと取扱説明書。
取扱説明書
CT4000P3PSSD8JPの外観
↑片面実装基板なので、ラベル面の反対側にシリアルナンバーなどが印字されたシールが貼られている。
CT4000P3PSSD8JP ベンチマーク
下記のフリー(無料)のベンチ―マークソフトを使ってCT4000P3PSSD8JPの性能を検証してみた。
- CrystalDiskInfo (HDD/SSDの健康状態をチェック)
- CrystalDiskMark 8.0 (HDD, SSD, USBメモリなどの速度を測定するベンチマークソフト)
- AS SSD Benchmark (SSD専用のベンチマークソフト)
- ATTO Disk Benchmark (ストレージの転送速度を棒グラフで表示)
- AnvilBenchmark (MB/sやIOPS単位でディスク アクセス時間のテスト)
CrystalDiskInfo 基本情報と健康状態
CrystalDiskMark 8.0
ストレージの転送速度を計測するベンチマークソフトのCrystalDiskMarkを使って空の状態(0%使用時)と88%使用時(3.63TB/空き領域463GB)の状態で速度を計測してみた。
SSDにデータを何も保存していない(0%使用)時のシーケンシャルデータのQ8T1の読込み実測値は5000MB/s前後(仕様:4800MB/s)、書込みは約4400MB/s前後(仕様:4100MB/s)と読書き共に仕様値よりも数値が出ている。
いっぽう、88%使用時はランダムリードとライトのアクセス(RND4K)速度が4分の1に低下している。
ランダムアクセスのほうが実測値に近く、OSやアプリ起動時の速さ直結するので、空き容量が少ないと体感速度が著しく低下するということが判明した。
OS起動速度が遅くなるのでシステムドライブには使わないほうが良い
ベンチマーク(AS SSD Benchmark)
↑88%使用時(3.63TB/空き領域463GB)の状態で計測している。
読込のアクセス時間(Acc.time)が非常に遅い結果になった。
↑AS SSD BenchmarkのコピーテストのISOは2つの大きなファイル、Programは多くの小さなファイル、Gameは小さなファイルと大きなファイルの両方のコピー速度の計測結果になる。
他の類似SSDよりも半分~4分の1の速度しか出ていない。
ベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)
↑ATTO Disk Benchmarkはストレージの転送速度を棒グラフで表示してくれるベンチマークソフト。
2KB以下サイズのデータ読込み速度が非常に低い結果となった。
ベンチマーク(AnvilBenchmark)
↑AnvilBenchmarkはMB/sやIOPS単位でディスク アクセス時間のテスト結果も表示してくれるSSD用のベンチマークソフト。
こちらも読み込み速度が著しく低い値が測定された。とくに連続データ4MB(Seq 4MB)と4Kが低い。
使用しているマザーボードはASUSの”TUF GAMING Z790-PLUS WIFI”で、M2スロットは下段のチップセット側を利用している。OSは”Windows 11 Pro”で、BIOSやドライバー類は最新の状態
CT4000P3PSSD8JPのメリット・デメリット
CT4000P3PSSD8JPを実際に使用した感想とメリットとデメリットは、大容量で安価なここと、空き容量が少ないと読み込み速度が低下することだ。
デメリット
CT4000P3PSSD8JPのデメリットは1つ。
- 空き容量が少ない状態だと読込速度が低下する
空き容量が少ない状態だと読込速度が低下する
空き容量が少ない状態だと読み込み速度が低下するのが最大のデメリットになる。
88%使用時(3.63TB/空き領域463GB)でベンチマーク測定すると、読込速度が同スペックのSSD(PCIe Gen4 x4対応のM.2 NVMe接続)よりも速度が大幅に低下する。
メリット
CT4000P3PSSD8JPのメリットは下記の1点。
- 4TBの大容量で価格が安い
4TBの大容量で価格が安い
2023年9月に売価27000円でポイントなど差引で実質22000円程で購入できた。
現在は最安3万円台と価格が上昇しているので割安感はかなり減少したが、4TBの大容量のSSDで3万円台と安価なことが最大のメリットになる。
まとめ
CT4000P3PSSD8JPは空き容量が少ない状態だと読み込み速度が著しく低下することがデメリットだが、4TBの大容量にもかかわらず安価なことが最大の特長になる。
メモリーセルがQLC(クアッドレベルセル)なので耐久性が低いが、5年間のメーカー保証が付いている。
正確には5年間が経過するか総書込量800TBWのどちらか早いほうが適応される。
ちなみに、当方の環境では使用時間674時間(約28日間)で総書込量は5449GB(約5.4TB)なので、0.675%しか使用していない。
つまり1ヶ月間で1%使用したとしても100ヶ月(8.3年)は持つ計算になる。
データ保存先として利用した場合は総書込量は殆ど増えないので、寿命はさらに長くなる。
なので、CT4000P3PSSD8JPはデータのバックアップに利用するのが最適な使い方になる。もしくは大容量HDDの代替用として導入するという方法がより適している。
動画作成などでデータを激しくインプット・アウトプットする用途には向いていない。
昔ながらの磁器ディスクのHDDは経年変化で必ず壊れることを考えたら、最安値のCT4000P3PSSD8JPにデータ移行させるのは悪くない選択ではないだろうか。
- 空き容量が少なくなると読込速度が著しく低下するのがデメリット
- 4TBと大容量なのにもかかわらず安価なのが最大のメリット
- 起動ドライブではなく、データ保存用に適している