玄人志向の80PLUS PLATINUM ATX電源 KRPW-PA1000W/92+を実際に使ってみた感想やメリット・デメリットを実体験レビューします。
この記事はこんな人におすすめ!
- KRPW-PA1000W/92+の購入を検討している
- 実際に使った感想を知りたい
KRPW-PA1000W/92+の発売は2022年9月
KRPW-PA1000W/92+とは
KRPW-PA1000W/92+は玄人志向が販売しているPC用のATX電源です。
玄人志向とは
玄人志向とは名古屋に本社のあるCFD販売株式会社が展開しているPC用自作パーツのブランド名です。
親会社はメルコホールディングスで、姉妹ブランドにバッファローがあります。
KRPW-PA1000W/92+の特長
KRPW-PA1000W/92+には下記の特長があります。
- 13.5㎝ファン搭載
- 必要なケーブルだけを装着できるフルプラグイン形式
- セミファンレスで低負荷時は冷却ファンが停止するので無音
- セミファンレス機能のオン・オフを切り替え可能
- 12VHPWRコネクタケーブル付属
- 日本メーカー製の電解コンデンサ搭載
①13.5㎝ファン搭載
冷却ファンには13.5センチの大型で約500~900rpmの低回転な流体動圧軸受タイプを採用しているので静音性が高いです。
②必要なケーブルだけを装着できるフルプラグイン形式
全ての電源ケーブルは着脱可能です。
必要なケーブルのみを使うことでPCケース内に熱が籠るのを防止できます。
③セミファンレスで低負荷時は冷却ファンが停止する
約300Wの使用電力まではファンが回転しないセミファンレス機能を備えています。
④セミファンレス機能のオン・オフを切り替え可能
セミファンレス機能のオン/オフ切り替えスイッチを搭載しています。
オフにすると冷却ファンを常時回転させることができます。
⑤12VHPWRコネクタケーブル付属
NVIDIA社製グラフィックスカードのRTX4090/4080に採用されている16ピン12VHPWR電源コネクタ用の接続ケーブルが付属しています。
このケーブルはPCIE5.0規格のグラフィックスカードにも必要です。
⑥日本メーカー製の電解コンデンサ搭載
日本のメーカーの電解コンデンサを搭載しているので信頼性が高く故障しにくいです。
KRPW-PA1000W/92+ レビュー
KRPW-PA1000W/92+のレビューです。
約25000円でツクモのネット通販で購入しました。
こちらと同じ商品です↓
KRPW-PA1000W/92+の仕様
サイズ | 150x180x86mm |
---|---|
電源容量 | 1000W |
80PLUS認証 | Platinum |
KRPW-PA1000W/92+の外箱
↑箱の裏面にはプラグインコネクタ数と付属品の種類、ファンコントロールの仕様等が記載されています。
KRPW-PA1000W/92+の付属品
↑付属品は左からプラグイン用ケーブルと12VHPWRコネクタケーブル、AC電源ケーブル、取り付け用ネジです。
KRPW-PA1000W/92+のプラグイン用ケーブル
↑プラグイン用のケーブルは下記の15本入っています。
- 24ピンATXケーブル×1本
- 4+4ピン ATX12Vケーブル ×2本
- 4ピン HDD/ペリフェラルケーブル ×1本
- SATAケーブル ×4本
- 6+2ピン PCI Expressケーブル ×6本
- 12VHPWRコネクタケーブル×1本
12VHPWRコネクタケーブル
↑この12VHPWRコネクタ1つで600Wを供給できます。
KRPW-PA1000W/92+の外観
↑ラベル面の反対側にはなにもありません。
↑冷却ファンの反対側にはなにもありません。
↑13.5センチのファンは吸気の方向に取り付けられています。
この面から空気を吸い込み、側面から排気します。
↑AC電源入力プラグの穴の隣には主電源スイッチが、右下にはセミファンレス切り替えスイッチがあります。
冷却ファンで吸った空気はこの面のパンチ穴から排気されます。
KRPW-TI700W/94+と比較
KRPW-PA1000W/92+と同じ玄人志向のKRPW-TI700W/94+と比較してみました。
KRPW-TI700W/94+のサイズは150x140x86mmなので4センチ短いです。
↑幅が異なっているように見えるのは奥行きに差があるからです。幅は両方同じです。
写真上のKRPW-TI700W/94+は24ピンATXケーブルと4+4ピン ATX12Vケーブルは本体に直付けされているので取り外しできません。
KRPW-PA1000W/92+はプラグインケーブル用のソケット穴の上に白色の文字で接続するコネクタの種類が印字されているので認識し易いです。
↑KRPW-PA1000W/92+のほうが4センチ長いです。
↑写真上のKRPW-TI700W/94+に搭載されているファンは12㎝。
下のKRPW-PA1000W/92+は13.5㎝のファンです。
ファンガードが筐体に穴が空いているだけなのでチープです。
KRPW-PA1000W/92+のメリット・デメリット
KRPW-PA1000W/92+を実際に使用した感想とメリットとデメリットを書きます。
デメリット
KRPW-PA1000W/92+のデメリットは2つです。
- プラグインフラットケーブルが硬くて扱いにくい
- 全体的に造りが雑で安っぽい
メーカー側は曲げ易いフラットケーブルで取り回しが楽だと謳っていますが、実際はそんなことはありません。
ケーブルは硬く、形状がフラットで幅が広くなっているため従来のケーブルよりも扱いにくいです。おまけに幅が広い分、エアーフローの妨げにもなっています。
少なくとも前出のKRPW-TI700W/94+に付属のプラグインケーブルよりも硬くて扱いにくいです。
ケーブルの柔軟さを求めている場合はフラットケーブルの柔らかさをウリにしている他の電源を購入したほうが良いです。柔らかいケーブルで評判の良いFractal DesignのFD-P-IA2P-860がおすすめです。
そして、ファンガードが筐体と一体になっていることからもわかるように電源本体とケーブルの質感が雑で造りが甘いため、満足感は低いです。
安っぽさはプラグインケーブルにも当てはまります。
これらのことから製造コストを下げるために品質を落とし、価格を抑えていることが推察できます。
メリット
KRPW-PA1000W/92+のメリットは下記の2点です。
- セミファンレス機能で低負荷時はファンが停止するので静音
- 電源本体にコネクタ用の白色印字があるのでわかりやすい
最大の特長はセミファンレス機能をオンにすることで低負荷時にはファンが回転しないためほぼ無音になることです。
ほぼ無音としたのは冷却ファンが回っていない状態でも耳を近づけると電気製品特有のノイズは聞こえるからです。
それと、電源のプラグインケーブル用のコネクタ接続口に白で印字されているので暗所で作業していても目視し易いです。
まとめ
KRPW-PA1000W/92+はセミファンレスで低負荷時には無音にすることができるので、静音のPCを組む場合に適しています。
ただ、低負荷時でも完全に無音ではなく、ジーという電気ノイズは発生します。
非常に微小な音量なので全く気になりません。
水冷クーラーのポンプのノイズのほうが遥かに大きな音です。
高負荷になって冷却ファンが作動しても、常時ファンが回転しているKRPW-TI700W/94+のアイドリング時のファン音と同じ程度の音量です。
値段は2万5千円前後と高価ですが、メーカー保証が5年付いているので万が一故障しても安心です。
1000Wで80PLUS認証がPLATINUMの電源の中でも最安値で他にあまり選択肢がないので、静音にこだわる場合はKRPW-PA1000W/92+はおすすめです。
- アイドリング時は無音。高負荷時でも一般的な電源と同じ程度のファン音
- 冷却ファンの最大回転数は約800rpmなので高負荷時でも静音
- 付属のケーブルの形状はフラットだが硬く幅が広いので、かえって扱いにくい
- 1000W以上の80PLUS認証PLATINUMで静音の電源を探している場合は第一候補になる