ThermalrightのCPU反り防止 LGA1700 固定金具を実際に購入して使った感想とメリット・デメリットを実体験レビューする。
この記事はこんな人におすすめ!
- CPU反り防止 LGA1700 固定金具の購入を検討している
- 実際に使った感想を知りたい
CPU反り防止 LGA1700 固定金具とは
CPU反り防止 LGA1700 固定金具はインテルのLGA1700ソケットのCPU形状が長方形のため、既存のマザーボード上のCPU取り付け金具を利用した時に、CPUが反ってしまい、その結果CPUクーラーとの密着性が低くなり、冷却性が損なわれるという問題が発生する。
当記事で取り上げている”CPU反り防止 LGA1700 固定金具”に換装することで、CPUが反るのを防止できる。
なおかつ、CPU周囲の表面積と強度(剛性)も上げることができる。
LGA1700以外のCPUは形状が正方形のため、CPU固定金具装着時の負荷が均等に掛かるので反りは発生しない
ThermalrightのCPU反り防止 LGA1700 固定金具の特長
当記事で取り上げる”Thermalright”のCPU反り防止 LGA1700 固定金具には下記の特長がある。
- TF7高性能CPUグリス付き
- アルミニウム合金製で軽量
- L字型トルクスレンチ付属
TF7高性能CPUグリス付き
TF7の熱伝導率12.8 W/mk、容量2gのCPUグリスが付いている。
このグリスは単品で購入したら千円は下らない。
※CPUグリスの原価は安いということを示している。
アルミニウム合金製で軽量
反り防止固定金具はアルミニウム合金製で非常に軽量なので装着するのが容易。
おまけに剛性が強いので変形しずらい。
L字型トルクスレンチ付属
マザーボードに取り付けられているCPU固定金具はトルクスボルトという特殊なボルトで留められている。
反り防止固定金具に換装する際に、必須になるL字型のトルクスレンチが最初から付属しているので、別途購入する必要はない。
CPU反り防止 LGA1700 固定金具 レビュー
CPU反り防止 LGA1700 固定金具のレビュー。
CPU反り防止 LGA1700 固定金具の外箱
CPU反り防止 LGA1700 固定金具の付属品
↑付属品は説明書と、CPUグリス、L字トルクスレンチ。
CPUグリス
↑TF7のCPUグリス2gが付属している。※商品によっては付属しな場合もある。
CPU反り防止 LGA1700 固定金具の外観
CPU反り防止 LGA1700 固定金具の実装と取付け手順
CPU反り防止 LGA1700 固定金具の取り付け手順は下記の通り。
- マザーボード上の既存金具を取り外す
- CPUをソケットに装着
- CPU反り防止 LGA1700 固定金具を装着
- CPUクーラーを取り付ける
マザーボード上の既存金具を取り外す
↑マザーボード上にある既存のCPU取付金具を取り外す。
取付金具は上下2ピースで構成されている。
CPUソケット内の電極ピンに触れると曲がってしまい、最悪の場合は起動しなくなるので慎重に脱着作業をする必要がある
↑マザーボード裏面には取付金具のバックプレート(台座)が付いている。
この台座はCPU反り防止 LGA1700 固定金具装着時も再利用する。
CPUをソケットに装着
↑CPU反り防止 LGA1700 固定金具を取り付ける前に、CPUをソケットにはめ込む。
その逆の手順では取付できない。
なぜなら、CPUが脱落しないように、反り防止固定金具で上からCPUに被せる形で、蓋をする構造になっているからだ。
CPU反り防止 LGA1700 固定金具を装着
↑写真のようにCPUの上から反り防止 LGA1700 固定金具で蓋をして、CPUが脱落しない構造になっている。
4隅のボルトは少しずつ増し締めして、均等に負荷を掛けるようにしよう。
反り防止 LGA1700 固定金具の高さよりも、CPUのほうが、ほんのわずかに飛び出した状態になる。
CPUクーラーを取り付ける
この後は、通常のCPUクーラー取付手順と同様だ。
CPU表面にグリスを塗布し、CPUクーラーを取り付ける。
CPU反り防止 LGA1700 固定金具のメリット・デメリット
CPU反り防止 LGA1700 固定金具を実際に使用した感想とメリットとデメリットを書く。
デメリット
CPU反り防止 LGA1700 固定金具のデメリットは1つ。
- 固定金具換装作業中にCPU電極ピンを曲げる危険性がある
固定金具換装作業中にCPU電極ピンを曲げる危険性がある
既存の固定金具を外す時にボルトの落下、もしくはL字型のトルクスレンチの先端が、ソケット内のCPU電極ピンに触れ、曲げてしまうリスクが発生するのが最大のデメリットになる。
マザーボード裏側にも固定金具のバックプレートがあるので、マザーボードの両面を意識しながら作業する必要がある。
片側だけの作業なら注意を向ける対象が一つだけなので容易なのだが、バックプレートのネジ穴にボルトを通さないといけないので、ボルト脱落の危険度は高い。
メリット
CPU反り防止 LGA1700 固定金具のメリットは下記の1点。
- CPU周囲の剛性が高くなり、CPUクーラーの密着性が上がる
CPU周囲の剛性が高くなり、CPUクーラーの密着性が上がる
CPU反り防止 LGA1700 固定金具は硬いので周囲の剛性が高くなり、捻じれや曲がりに強く変形しずらくなる。
CPUクーラーの締め付け圧力にも強くなるので密着性が上がる。
その結果、冷却性能も上がる可能性がある。
まとめ
CPU反り防止 LGA1700 固定金具はCPU周りの剛性を上げ、変形しずらくなり、CPU表面と冷却クーラーとの密着性が上がることが最大のメリットになる。
作業時のCPU電極ピンが曲がるデメリットは、作業を慎重に行えば防止できる。
CPUグリスも付いて千円前後と安価なことも考えれば、導入するメリットのほうがはるかに高い。
ただし、CPUの付け替えを頻繁に行う場合は、CPU交換に必要な工程数が多くなり、なおかつその度にCPUソケットの電極ピン曲がりが発生する可能性が高くなってしまう。
さらに既存の固定金具はワンタッチでCPUを取り外し可能だが、反り防止固定金具は裏面のバックプレートがCPU交換の時は必ず脱落するので、余計に作業時間がかかってしまうのが難点になる。
とはいえ、普段使いの場合はCPUを交換するのは数年に1回あるかないか程度なので問題にはならない。
LGA1700ソケットのCPUの反りが気になる場合、安心代だと考えれば非常に安価で対策出来る、反り防止固定金具は非常におすすめだ。
- 安価で反り防止効果を得ることができる
- 既存の取付金具よりもCPU交換時の作業工程数が増す
- 取付金具とCPU換装作業時にCPUソケット電極ピンの曲がりが発生するリスクがある