テスコムの大風量ヘアドライヤー TID2700を実際に2年以上使用した感想と良い点と残念な点などをレビューする。
コイズミ モンスター KHD-W720との比較もしている。
この記事はこんな人におすすめ!
- テスコム TID2700の良い点と悪い点を知りたい
- 実際に使用してみた感想を知りたい
テスコム TID2700の発売は2019年11月
TID2700のレビュー
テスコムのヘアドライヤー TID2700は大風量2.5㎥/分がウリのヘアドライヤー。
マイナスイオンとプラスイオンを同時に放出する「プロテクトイオン」機能を搭載している。
TID2700の特長
テスコム TID2700の特長は次の3つ。
- 発売当時、業界最大級の風量2.5㎥/分
- 1400Wのハイパワー
- プロテクトイオン機能で静電気を抑制し、髪の広がりと傷みを抑える
業界最大級の風量2.5㎥/分
2022年時点でも2.5㎥/分の風量は市販のヘアドライヤーの中で最大級。
だが、風量と髪の毛の乾く速さは直接関係ない。
なぜなら、風量があると水を吹き飛ばしたり、乾燥させるのにはある程度は風量の多さは有効だが、効率よく乾燥させるには温風の温度も重要になるからだ。
1400Wのハイパワー
1400Wは市販のヘアドライヤーの中では最高値だ。
しかし、1400Wという消費電力と髪の毛の乾く速さはまったく関係がない。
その理由は消費電力の値は字のごとく消費する電力量だからだ。
すなわち、1400Wという値から消費される電力量はわかるが、電力に対する効率の良さはもちろん、それ以外のことは何一つわからないのだ。
ただそうはいっても、テスコムの従来品である”TID2600と比較して高温エリアがUP”と記載されていることはだけは確認できた。
けれども、それ以外の具体的な数値は何一つ明記されていないので1400Wという値だけ提示されても何一つ真実はわからないことになる。だからどうしたという感じだ。。
むしろ1400Wも電力を消費するので電気代がかさむことが気になってしまう。
プロテクトイオンで髪の広がりと傷みを抑える
マイナスイオンとプラスイオンを同時に放出し、それぞれのイオンが髪に働くことで静電気を抑制し、髪の広がり・傷みを抑えるのが「プロテクトイオン」。
だが、これは静電気を低減する機能しかない。
直接髪の毛を潤す効果はないので注意が必要だ。
TID2700の仕様
風量 | 最大:2.5㎥/分(HOT – 風量最大使用時) 最小:1.0㎥/分(HOT – 風量最小使用時) |
---|---|
温風温度 | 107℃(周囲温度30℃の場合。HOT – 風量最小~中使用時) 85℃(周囲温度30℃の場合。HOT – 風量最大使用時) |
騒音値 | 72dB(HOT – 風量最大使用時) |
本体寸法 | 幅26.9×高さ23.3×奥行9.4センチ |
本体重量 | 約690g |
消費電力 | 1400W |
付属品 | ブーストフード、セットフード、専用スタンド、取扱説明書兼保証書 |
TID2700の付属品
↑付属品はヘアドライヤー本体、ブーストフード、セットフード、専用スタンド、取扱説明書兼保証書。
TID2700の外観
電源スイッチと風量調整ボリューム
↑写真下は電源スイッチ。
写真上のボリュームで風量の調整ができる。右に回すと風量が増える、左に回すと風量は減る。
ブーストフード
ブーストフードはTID2700ドライヤー本体の吹出口先端に装着する風量アップ用のノズルのこと。
このブーストフードを装着すると風量は1割~2割程増し、風温も2度以上高くなる。
うるさかった騒音もマイルドな音質に変わる。
いずれも容易に違いを体感できるぐらいブーストフードが有るのとないのとでは違いがある。
ただ、ブーストフードを装着するとデメリットもある。
ドライヤー全体の全長が長くなるのでドライヤー先端と頭皮(髪の毛)の距離が近くなってしまう。
専用スタンド
↑このように付属の専用スタンドを利用すればフリーハンドでドライヤーを使用することもできる。
TID2700を2年間使用した感想
TID2700を購入する前に利用していたドライヤーはコイズミ モンスター KHD-W720なので、それとの比較が主な感想になる。
TID2700の残念な点
TID2700の残念な点はかなり多い
- 風圧の割には髪の毛は乾かない
- 冬場は温風の温度が低すぎる
- 騒音がうるさい
- 重量が重い
- 風量コントロールのダイヤルが邪魔
風圧の割には髪の毛は乾かない
TID2700の最大のウリの風量は2.5㎥/分で値だけ見たら他のメーカーよりも高い。
だが、それと髪の毛が実際に乾くスピードは半分程しか関係しない。
なぜなら、髪の毛が乾くスピードは風量以外にも温風の温度が関係しているからだ。
冬場は温風の温度が低すぎる
前述したように、風量の割には髪の毛は乾かない理由は、髪の毛を乾かすには風量以外にも温風の温度が関係しているからだ。
その点、TID2700は温風の温度が著しく低い。
結果、風量はあるのに、あまり髪の毛は乾かないことになる。
とくに真冬で室温が低いときは、室温よりもドライヤーの温風のほうが低く感じるほどTID2700の温風温度は低い。
騒音がうるさい
TID2700は風量の大きさよりも騒音の大きさのほうが目立つ。
コイズミ モンスター KHD-W720よりも音は大きい。
重量が重い
TID2700の重さは約690gあるので軽くはない。ドライヤーの中だと重い部類に入る。
コイズミ モンスター KHD-W720は約685gなのでほとんど同じだ。
風量コントロールのダイヤルが邪魔
TID2700のハンドル部分の付け根に設置されている風量調整ダイヤルが邪魔だと感じるので無いほうが良かった。
ただ、これは風量をまったく調整しない人の場合だけ該当する。
なぜなら、常に最大風量で使いたい人の場合、誤操作によって風量が低下した状態に気づかずに使い続けてしまう可能性があるからだ。そうなると風量調整ボタンは邪魔な機能でしかない。
TID2700の良い点
TID2700の良い点を探すのは非常に難しい。
それでも敢えて記述するなら、1つだけだ。
- 吸気口のダストカバーの脱着が簡単で掃除がし易い
吸気口のカバーの脱着が簡単で掃除がし易い
TID2700のドライヤー本体背面の吸気口のダストカバーが簡単に外れるのでフィルターの掃除がしやすいことが唯一の良い点になる。
フィルター自体は取り外しできないので溜まったホコリを掃除機で吸うと綺麗になる。
まとめ
テスコムの大風量ヘアドライヤー TID2700は騒音は凄いが、風量はそこまで凄くない。
むしろ髪の毛は乾きにくいかもしれない。とくに真冬は風温が低くいので乾くのが遅い。
ちなみに、TID2700の吹出口先端にブーストフードを付けて使用しないと冬場は他のドライヤーの冷風と同じぐらい低い風温になるのでブーストフードの装着は必須になるので注意してほしい。
性能の割には価格は6千円~7千円ほどするので、費用対効果もあまりよくない。
つまり、TID2700は手放しでオススメできるドライヤーではない。
コイズミ KHD-W720とはどんぐりの背比べで、実際に使い比べてもほとんど性能差は感じない。
温風の温度で比較するとTID2700のほうが若干劣っている。
静音性もTID2700のほうがやや劣っている。
よくない結果になったが、このクラスの同じ価格帯の製品はどれも似たような性能なのも確かだ。なのでカタログの数値をあれこれと見て比較して悩むよりも最安値の商品を選択したほうが賢明だと思う。
各メーカーについて思うことだが、風量ほど曖昧な表現はないと思う。
ものは言い様で、髪の毛が直ぐに乾くとはメーカーのWebサイトや説明書のどこにも記載がない。
つまり、最大風量が○○㎥/分だ、○○Wのハイパワーであることと髪の毛が早く乾く時間とはまったく関係がない。
買う方が勝手に良い意味に解釈し、想像を膨らませているだけに過ぎない。
- 風量が多いのと髪の毛が早く乾くは完全に一致しない
- ブーストフード(吹出口の先端に装着)を付けないと風量と風温が1割から2割程減少する