WESTERN DIGITALのM.2(Type2280)NVMe接続SSD WDS100T2X0Cを実際に購入して約3年間使ってみた感想とメリット・デメリットを実体験レビューする。
この記事はこんな人におすすめ!
- WDS100T2X0Cの購入を検討している
- 実際に使った感想を知りたい
WDS100T2X0Cの発売は2018年5月
WDS100T2X0Cとは
WDS100T2X0CはWESTERN DIGITALが販売しているM.2 Type2280のNVMe接続SSDの1TB版。
WESTERN DIGITALとは
WESTERN DIGITAL(ウエスタンデジタル)とは1970年に創業したアメリカに本社のあるHDDとフラッシュメモリー等を製造している補助記憶装置のメーカ。
WDS100T2X0Cの特長
WDS100T2X0Cには下記の特長がある。
- PCIe Gen3 x4対応
- 最大読込み速度 3400MB/s、最大書込み速度 2800MB/s
- I/Oアクセス数 1000K IOPS
PCIe Gen3 x4対応
PCIeはPCI Expressの略称で、Gen3は世代数。×4は帯域幅(レーン)の数で×1で1GB/秒の最大帯域幅がある。
つまり、Gen.3 x4は約4GB毎秒(1GB×4レーン)の最大帯域幅。
帯域幅の値が大きいと一度に送信できるデータ量が増えるので、データ通信が短時間で済むので通信速度が速くなる。
最大読込み速度 3400MB/s、最大書込み速度 2800MB/s
シーケンシャルの最大読込み速度が3400MB/秒で最大書込み速度は2800MB/秒。
Gen.3 x4の最大帯域幅は約4000MB/秒が上限になる。
I/Oアクセス数 500K IOPS
IOPSとは1秒間に読み書きできるデータのインプットとアウトプット数の単位。この数値が高いほど高性能。
500K IOPSは1秒間に50万回データを書込める。
WDS100T2X0C レビュー
WDS100T2X0Cのレビュー。
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WDS100T2X0Cの仕様
フォームファクター | M.2-2280 | |
---|---|---|
インターフェース | PCI Express 3.0 x4 | |
対応規格 | NVM Express 1.3 | |
NANDフラッシュ | Western Digital&東芝製 3D TLC NAND(BiCS3) | |
シーケンシャル読込最大速度 | 3400 MB/s | |
シーケンシャル書込最大速度 | 2800 MB/s | |
ランダム読込み最大速度 | 500K IOPS | |
ランダム書込み最大速度 | 400K IOPS | |
書込耐性 | 600TBW | |
MTBF(平均故障間隔) | 175万時間(約200年) | |
保証期間 | 5年 |
WDS100T2X0Cの外箱
WDS100T2X0Cの付属品
↑付属品は製品サポートの小冊子のみ。
WDS100T2X0Cの外観
↑片面実装基板なので、ラベル面の反対側には何もない。
基本情報と健康状態
CrystalDiskInfoで見た約3年(21376時間)利用したWDS100T2X0Cの情報と健康状態。
68TBほど書き込んだ状態で寿命は88%の表示になっていた。
インターフェースの対応規格はNVM Express1.3となっている。
ベンチマーク
ストレージの転送速度を計測するベンチマークソフトのCrystalDiskMarkを使って速度を計測してみた。
何も入っていない空の状態と2割ほど容量を使った状態のどちらでも、シーケンシャルデータのQ8T1の読込み実測値は3400MB/s前後(3400MB/s)、書込みは約2820MB/s前後(2800MB/s)とほぼ仕様以上の数値が出ている。()内は仕様値
使用しているマザーボードはASUSの”ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI”で、M2スロットは最上段のCPU直結側を利用している。OSは”Windows 11 Pro”で、BIOSやドライバー類は最新の状態
内臓M2 NVMe接続SSD間の転送速度
マザーボード内臓M2スロット NVMe接続SSD間のデータ転送速度を計測してみた。
約1MBサイズのJPEGファイルが約48000個詰まった容量50GBのフォルダを”CSSD-M2M2TPG4NZL”のシステムドライブから”WD Black NVMe WDS100T2X0C”のEドライブに移動させたときの値になる。
最高で190MB/s、平均180MB/sの転送速度が出ている。
“CSSD-M2M2TPG4NZL”は読込速度7200MB/s、書込速度6850MB/sのPCIe Gen4対応のM.2 (Type2280) SSD
WDS100T2X0Cのメリット・デメリット
WDS100T2X0Cを実際に使用した感想とメリットとデメリットを書く。
デメリット
WDS100T2X0Cのデメリットは1つ。
- ランダムアクセス 4K Q1T1値は良くない
ランダムアクセス 4K Q1T1値は良くない
ランダムアクセス 4KのQ1T1の結果が良くない。
残念な点は以上の1点のみ。
メリット
WDS100T2X0Cのメリットは下記の1点。
- シーケンシャルアクセスのQ8T1は仕様以上の速度が出ている
シーケンシャルアクセスの1M Q8T1は仕様以上の速度が出ている
連続データアクセスの1MのQ8T1は仕様値以上の転送速度が出ていたことが最大のメリットになる。
まとめ
WDS100T2X0Cはランダムアクセスの読み書きは弱いが、連続データのアクセスは仕様の値以上の速度が出ている。
対応インターフェースがPCIe 3×4とやや古いのでシステムディスクにした場合のOS起動時間の体感速度はそれほど速くない。
データディスクで使う場合は必要十分の速度なのでストレスはまったく感じない。
総稼働時間2万時間、約3年使って68TBの総書込み量で11%しか寿命を減らしておらず残り88%の総書込み量が残っている。
同じペースで使い続けた場合、20年以上は寿命が持つことになる。
ウエスタンデジタルは老舗のストレージメーカーなので安定性を求める場合は利用する価値のあるSSDだ。
- 連続データの読み書きは仕様値以上の速度が出ている
- 最新のSSDと比較するとランダムアクセスは速くない