Windows 11をオフライン(ネット接続なし)でクリーンインストールする方法を解説する。
オフラインインストールのメリットは、Microsoftアカウントでログインせずにインストールできるので、ユーザーフォルダが変な名前にならずに済む。
さらに、パスワードの入力を省けるので、後から自動ログインの設定が不要になる等の多くのメリットがある。
この記事はこんな人におすすめ!
- オフライン環境でWindows 11をクリーンインストールする方法が知りたい
- PC起動時に毎回パスワードを入力するのが面倒なのでパスワード入力をなくしたい
- ユーザーフォルダ名が可笑しな名前になるのを防ぎたい。かつ、任意のフォルダ名にしたい
- Windows 11のバージョン22H2からインターネット接続が必須になった
- 最新のマザーボードはOSデータ内にLANやWiFiドライバーがないのでネット接続不可になる
- そのようなときに当記事に記載の手順は必須になる
Windows 11をオフラインでインストールするメリット
Windows 11をオフラインインストールすることにより得られるメリットは下記のとおり。
- Microsoftアカウント不要※ローカルアカウントでインストールできる
- C:\Users内のユーザーフォルダをローカルアカウントと同じ名前にすることができる
- パスワード入力なしでログイン可能(自動ログイン) ※Microsoftアカウントでインストール後にオートログイン設定することも可能だが、設定する手間が省ける
Windows 11をクリーンインストールするときは、通常だと有線無線問わず、ネット接続してMicrosoftアカウントでログインする必要がある。
だが、何かしらの理由でネットが利用できない場合もある。
そんなときはクリーンインストール自体ができなくなってしまう。
そうはならないように、インストールの途中に、手動でコマンドを入力することでネット未接続、かつMicrosoftアカウントでログインしなくてもクリーンインストールが出来るようになる。
このことをオフラインインストールという。
オフラインインストールはユーザーフォルダをローカルアカウント名にできる
オフラインインストールをした結果、Microsoftアカウントでログインせずともインストールが完了するので、通常だとMicrosoftアカウントの頭文字を使って自動でC:\Users内のフォルダ名が作成されてしまうのだが、ローカルアカウントを作成することで、ローカルアカウント名がそのままユーザーフォルダ名になる。
ちなみに、後からユーザーフォルダ名を変更することはできない。
パスワード入力なしでログイン可能(自動ログイン)
通常のクリーンインストールだとMicrosoftアカウントでログイン後にPINというパスワードを設定しないと先に進めない。しかもログイン時に毎回パスワードを入力しないといけなくなる。
なのでもしPC起動時に毎回パスワードを入力するのが面倒なので、パスワードを無くしたい場合は、後から設定を数か所変更する必要がある。ところがこの設定は非常に面倒だ。
そんなときは、オフラインインストールすることでMicrosoftアカウントでログインする必要がなくなり、最初からローカルアカウントでログインすることができ、パスワードの入力も省略できる。※パスワード設定の入力画面で何も入力せずに【次へ】ボタンを押すだけ。
Windows 11のクリーンインストール手順
Windows 11をPCにクリーンインストールするのに最低限必要なものは下記のとおり。
- Microsoftアカウント
- USBメモリー
当記事はUSBメモリーに保存したOSの”インストールメディア”を使ってインストールする手順になる。
USBメモリーにインストールメディアを作成
インストールメディアをダウンロードするにはMicrosoftアカウントが必要になるので無い場合は作成しておく。
- Google検索で”Windows 11 ダウンロード”と検索するとMicrosoft 11のダウンロードページが表示されるので、その画面内の”Windows 11 のインストール メディアを作成する”項目の下にある【今すぐダウンロード】ボタンを押す
- PCにUSBメモリーを挿して、先ほどダウンロードした mediacreationtool.exe をダブルクリックして起動すると自動ウィザードが表示されるので案内に従って操作する
- 途中で先ほど挿したUSBメモリーを指定すると、自動的にUSBメモリーにインストールメディアが作成される
USBブート
インストールメディアのUSBメモリーをPCに挿していても、PCにOSがインストールされたSSDやHDDが接続されている場合は既存のOSが起動してしまうので、PC起動時にF8キーを連打してBIOSのUSBブート画面を表示させる必要がある。
ASUS製のマザーボードだとF8キーでUSBブート画面になるが、他のメーカー製PCは違うキーの場合がある。
↑インストールメディアを保存したUSBメモリーが表示されるのでそれをクリックする。
Windowsセットアップ(OSインストール)
↑何も変更せずにそのままの状態で【次へ】ボタンを押す。
↑真ん中の【今すぐインストール】を押す。
↑下の【プロダクトキーがありません】を押す。
↑【Windows 11 Pro】を選択した状態で【次へ】ボタンを押す。
※所持しているライセンスに対応したエディションを選択しないとアクティベーションしないので要注意。
↑【Microsoft ソフトウェアライセンス条項に同意します。~】の左側にあるチェックボックスにチェックマークを入れて【次へ】ボタンを押す。
↑クリーンインストールなので下の【カスタム:Windowsのみをインストールする】をクリックする。
↑【ドライブ1の割り当てられていな領域】を選択した状態で【次へ】ボタンを押す。
※新規でパーティションを作成する必要はない
↑PC側のストレージにOSファイルがコピー&インストールされる。
処理が完了すると勝手にPCが再起動して設定の続きが表示されるので、それまで何もする必要はない。放置でOK。
OSインストール後の設定
↑OSインストール後にPCが再起動し、設定画面が表示される。
【日本】が選択された状態で【はい】ボタンを押す。
↑そのままの状態で【はい】ボタンを押す。
↑【スキップ】ボタンを押す。
↑LANやWiFiのドライバーが自動的に当たらずにインターネットに接続できない、または意図的にネットに接続していない場合は、この画面から先に進めなくなる。
ここから先はコマンドを入力して”オフラインでローカルアカウントを作成”する。
先ずはコマンドプロンプトを起動する。
キーボードのShiftキーとF10キーを同時に押す。
オフラインでローカルアカウント作成
↑コマンドプロンプトが起動するので、次のコマンドを入力する。
cd oobe
Enterキーを押す。
BypassNRO.cmd
Enterキーを押す。
※大文字と小文字はきちんと区別されるので要注意。
コマンド入力に成功するとコマンドプロンプト画面が閉じて、自動的にPCが再起動する。
PC再起動後はOSインストール後の設定から始まるのでもう一度同じ手順で進める。
↑BypassNRO.cmd実施後は画面下に【インターネットに接続していません】が表示されるので、その文字をクリックする。
↑ローカルアカウントの名前を入力して【次へ】ボタンを押す。
↑PCにログインする度にパスワード入力したくない場合(自動ログイン)は何も入力しないで【次へ】ボタンを押す。
↑Microsoft側のメリットになる項目ばかりなので、すべて【いいえ】に変更後に、【同意】ボタンを押す。
※プライバシー設定をすべて【はい】にしても利用者側にメリットは殆ど無い。
↑最後にこの画面が表示され、この表示が消えるとOSインストールとセットアップはすべて完了だ。
↑最後にディスクトップ画面が表示される。
真っ先にすることはLANまたはWiFiのドライバーをインストールすることだ。
オフラインインストールのメリット・デメリット
Windows 11 22H2のオフラインインストールをした感想とメリットとデメリットを書く。
デメリット
Windows 11のオフラインインストールのデメリットは1つ。
- 自動でライセンス認証されない
①自動でライセンス認証されない
MicrosoftアカウントでOSをインストール&セットアップした場合は自動的にライセンス認証されるが、オフラインインストールの場合は、OSインストール後にMicrosoftアカウントでログインするか、プロダクトキーを入力しないとラインセンス認証しないことがデメリットになる。
- Microsoftアカウントでログインしてインストールすると、Microsoftアカウントにライセン情報が紐づいているので自動的にライセンス認証される
- 公式には非公開だが、Microsoftアカウント(またはプロダクトキー)にはハードウェアの構成情報も紐づいており、大幅にハードウェア構成を変更しているとライセンス認証が通らなくなる
- Windowsのライセンスキーはパッケージ版を購入するとハードウェア構成変更にかかわらず基本的には無条件で認証可能だが、OEM版やDSP版の場合は、数年後または数回ハードウェア構成を変更するとライセンスキーは使えなくなる可能性があるので要注意
メリット
Windows 11のオフラインインストールのメリットは下記の1点。
- 好きなローカルアカウント名とユーザーフォルダ名を作成可能
好みのローカルアカウント名、ユーザーフォルダ名で作成可能
OSインストール時にMicrosoftアカウントでログインすると、ユーザーフォルダが自動的に付けられてしまい、Microsoftアカウントの先頭4文字がユーザーフォルダ名になる。
自動的に付けられた可笑しなフォルダ名だと愛着が湧かない。
さらに後から変更するのは非常に面倒だ※基本的にユーザーフォルダ名は後から変更不可
オフラインインストールならローカルアカウント名がユーザーフォルダ名になるので意図的に好きな名前にすることもできる。
まとめ
Windows 11 バージョン22H2からインストール時にインターネット接続が必要になった。当記事で書いたコマンドを投入しなければ、以前のようにローカルアカウントでインストールすることはできなくなってしまった。
しかも、最新のマザーボードだと新しすぎて、OS側にネットワークデバイスのドライバーが入っていないので、インターネット接続なしの状態でインストールする必要が出てくる。
そうじゃなくても、ローカルアカウントでOSをインストールしたほうが、何かとメリットのほうが多い。Microsoftアカウントでインストールするよりも、OSインストール後に必要な作業数が少なくて済むからだ。
さらに、Microsoftアカウントでインストールすると後からアカウント名とフォルダ名を変更するのは敷居が高く、失敗するリスクもある。
それに、個人PCとして使う場合はパスワード入力が無いほうが便利だ。
ローカルアカウントだと簡単にパスワードなしにすることが可能になる。
なので、ネットワーク環境やドライバーの有無にかかわらず、いかなる場合でも、ローカルアカウントでOSをインストールしたほうがメリットは多く、制限も少なくなるのでおすすめだ。
- パスワード入力なしの設定が簡単にできる
- ローカルアカウントの名前を自由に決めることができ、頭4文字がユーザーフォルダ名になる