42.5インチ4K液晶モニター 43UN700と31.5インチの4K液晶モニターEV3285を実際に両機を使った体験を基に徹底的に画質を比較してみました。
それぞれにメリットとデメリット、向き不向きな用途あるので、その点を詳しく解説します。
この記事はこんな人におすすめ!
- 43UN700の購入を検討しているが画質が気になる
- EV3285と43UN700の違いを知りたい
- 実際に両方を使って感じたことやそれぞれのメリットとデメリットが知りたい
- 43UN700-Bの発売は2019年11月
- 43UN700-BAJPの発売は2022年5月
- EV3285の発売は2018年8月
43UN700-Bと43UN700-BAJPは全く同じ仕様・性能で違いはありません。メーカー側の都合で型番が異なるだけです
43UN700とEV3285を比較
大画面で作業面積が広く安価な43UN700と、画質は綺麗だが表示が等倍だと文字が小さくて見づらく、高価なEV3285の両機を比較してみました。
両機は画面サイズが43と32インチで大きく異なるので、実際の見やすさや鮮明さ、色むらなどの画質や品質について比較検証しています。
今現在43UN700をメインで、モニターアームに取り付けたEV3285をサブモニターとして利用しています。なので長時間使用した実体験を元に記事を作成しているので具体的で詳細な感想と内容を含んでいます。
43UN700の特徴
43UN700はLGエレクトロニクスが販売している42.5インチの4K液晶モニターです。
詳細なレビュー記事はこちらを参考にしてください↓
43UN700 口コミ評判レビュー
43UN700の特徴の要点をまとめると次のようになります。
- 42.5インチの大画面で作業面積が広く、4K等倍でも文字が小さくならず見やすい
- 画素密度が粗い(低い)ので若干ぼやけた感がある。とくに細いフォント文字がクッキリ表示できず不鮮明
- 付属のスタンドは高さ調整不可
EV3285の特徴
EV3285はEIZO株式会社が販売している31.5インチの4K液晶モニターです。
詳細なレビュー記事はこちらを参考にしてください↓
EV3285 口コミ評判レビュー
EV3285の特徴は次のようになります。
- 画面サイズが小さいので4K等倍だと文字やアイコンが見難い
- 画素密度が高いのですべての表示がクッキリ鮮明で見やすい
- 付属のスタンドは高さ調整可能
43UN700とEV3285の共通点
43UN700とEV3285の共通点は次の4つです。
- 液晶モニター表面のベゼル幅は両機とも12mm
- 液晶パネルの端に薄黄色のにじみがある
- USB Type-C 端子を1つ装備。ケーブル1本で映像・音声、USBハブ(信号伝送と5V0.8A(60W)給電)が使える
- PBP( ピクチャー・バイ・ピクチャー ) または PIP( ピクチャー・イン・ピクチャー ) 機能装備
43UN700とEV3285の相違点
物理的なサイズが違う以外で両機が大きく異なる点をまとめると下記のようになります。
- 画素密度はEV3285のほうが1.34倍高い
- 表示面積は43UN700のほうが1.82倍広い
- HDMI端子の数が43UN700のほうが2つ多い※ただし4K/30p
- USBハブ(USBダウンストリーム)端子とヘッドホン端子の位置と向きが異なる
- EV3285は標準スタンドで液晶モニタ部が344°回転するので縦向きにできる
- EV3285はフレーム外枠と液晶パネルとの段差が無くフラット
とく画素密度が画質に大きく影響するので画質の綺麗さは圧倒的にEV3285のほうが上です。
43UN700とEV3285のスペック(仕様)を比較
この比較表を見るだけでも両機の違いが確認できます。
項目名 | 43UN700 | EV3285 | 相違点・説明 |
---|---|---|---|
画面サイズ | 42.5 | 31.5 | 差は11インチ |
画面の対角線の長さ | 108㎝ | 80㎝ | 差は28㎝ |
パネルタイプ | 差異無 | ||
パネル表面処理 | 非光沢で光の反射が少ない | ||
最大解像度 | 値が大きいほど表示量が増える | ||
画素ピッチ | 0.245mm | 0.182mm | 値が小さいほど高繊細 |
画素密度 | 104ppi | 140ppi | 値が大きいほど高繊細 |
有効表示領域サイズ | 941×529mm | 697×392mm | 値が大きいほど大画面 |
表示面積 | 4978 cm2 | 2735 cm2 | 値が大きいほど画面が広い |
応答速度(中間階調) | 8ms | 5ms | 値が小さいほど描写速度が速く残像感が少ない |
表示色 | 10bit(10.7億色) | 8bit(1677万色) | bit値が大きいほど色域が広い |
色域 | NTSC 72% | sRGB相当 | NTSCのほうが再現できる色域は広いが72%なので両機大差なし |
輝度 | 400cd/m2 | 350cd/m2 | 値が大きいほど画面を明るくできる |
コントラスト比 | 1000:1 | 1300:1 | 値が大きいほど画面にメリハリがでる |
視野角 | 値が高いほど正面以外の角度からでも見やすくなる | ||
寸法(液晶モニターの厚さ) | 7㎝ | 5.2㎝ | 値が小さいほど奥行きが薄い |
取付穴ピッチ(VESA規格) | 200×200mm | 100×100mm | 小さいほど汎用性が高い |
重量(モニターのみ) | 13.8kg | 7.6kg | 軽いほど設置時に扱いやすい |
重量(スタンドのみ) | 3.7kg | 3.4kg | |
チルト | 前:5°後:10° | 前:5°後:35° | 調整可能な上下の角度 |
標準消費電力 | 95W | 32W | 値が低いほど電気代が掛からない |
最大消費電力 | 200W | 163W | |
メーカー保証期間 | 購入から3年間 | 購入から5年間 | 期間内の故障は無償修理 |
無輝点保証 | 購入から3年間 | 購入から6か月 | 期間内の無輝点は無償交換 |
43UN700とEV3285のサイズ差
↑写真左の31.5インチのEV3285も十分大きいのに、42.5インチの43UN700と並べると小さく見えてしまいます。
43UN700とEV3285の表示面積の差
両機の画面サイズの違いを数値化して比べてみました。
EV3285の液晶パネルの面積は2735cm2です。
43UN700は4978cm2です。
EV3285よりも43UN700のほうが約1.82倍表示面積が大きいです。
つまり、43UN700のほうが1.82倍も大きく文字が表示されるわけです。
ところが実際の画面の見やすさ・感じ方は画素密度によっても左右されるので単純に1.82倍見やすいわけではありません。
液晶パネル表面の材質の違い
43UN700のほうがEV3285よりも液晶パネル表面の材質が安っぽいです。
両機とも同じノングレアで非光沢処理が施されているのですが、43UN700は霧ガラスのように白っぽく、品質よりもコストを抑えて採算性を重視しているのが容易に伺いしれるほど違いがあります。まあ2倍近い価格差を考慮すると納得ですが。
外観ではこのパネル表面の質感の差が最もわかりやすいです。
両機の違いを豆腐で例えれば、絹ごしと木綿ぐらい違います。
実際に画像を表示させても、43UN700には薄いビニールの保護シートが張り付いているのかと思うぐらい全体的にぼやけている感じがします。
指で触った感触も43UN700は液晶パネル表面はザラザラしていて抵抗を感じますが、EV3285のほうはツルツルで抵抗を感じません。
物理的な液晶パネル表面の仕上げ処理も両機で異なります。
43UN700のほうが柔らかく傷や指紋が付き易いです。
画素密度の違い
画素密度が高いほど画素のサイズが小さく、画素どうしの距離も短くなるのでクッキリとした描写で高繊細で綺麗に表示されます。
画素密度は43UN700は0.245でEV3285は0.182です。
43UN700よりもEV3285のほうが約1.35倍画素密度が高いです。
そのため、43UN700のほうは細い文字が見づらいです。
両機を比較して明確に差を感じる個所はこの文字の見づらさです。
なので同じ画面を表示させた場合はEV3285のほうがクッキリとクリアでシャープに表示されるので見やすいです。
実際に表示させた画面を見たほうが違いが一目瞭然なので実際の画面の写真を次に載せています。
43UN700の画面表示
両機とも設定は最大解像度でスケーリングで拡大表示していない状態です。
どちらも全く同じページを写していますが、文字の視認性が大きく違います。
↑元々太い文字は両機とも変わりませんが、細いフォントで表示されている文字の線が細くて見づらいです。
写真上のホーム>パソコン>PCモニター・液晶ディスプレイ のリンク文字が細く表示されています。
最も見難いのは製品名の43UN700-BAJP[42.5インチ]の下に書かれている箇条書きの文字です。細すぎてかすれてしまっています。
EV3285の画面表示
↑EV3285のほうは43UN700ではかすれて見えにくかった箇条書きの文字が太くクッキリと表示されています。
あくまでもこの画面は一例にすぎず、他のページでも異なるコンテンツでも同様です。
43UN700とEV3285の向き不向き
結局、両機ともメリットとデメリットがあります。
なので使う場面毎に向き不向きを考察しました。
43UN700の最適な使い方
43UN700は大画面で表示サイズが大きく、輝度も過剰なほど明るいという長所を生かすことが最適な使い方になります。
43UN700が向いている使い方とその理由は次のとおりです。
- ゲーム:ゲームモードがあるので簡単にゲームに最適な画質設定を呼び出せる
- 映画鑑賞:映画に最適な明るさやコントラストに最適な画質設定を呼び出せる
- ディスプレイの共有利用:大画面なので同じ場所で他の人と同じ画面を見る場合に最適
EV3285の最適な使い方
EV3285は画素密度が高く、細い文字が見やすいのでWebブラウジングやOfficeなどで細かい文字を扱う作業をするときに使うのが最適です。
EV3285が向いている使い方と理由は次のとおりです。
- Webブラウジングや細かい文字を扱う作業:高繊細で綺麗に表示できるので微細な文字でもクッキリ見やすい
- ゲーム:応答速度が5msと速い
画面の見やすさは画素密度が非常に重要
なのでEV3285のように画素密度が高く、43UN700のように表示領域が広い液晶が最も価値のある液晶モニターということが言えます。
ところが、残念なことに両機の良いとこ取りの上記のような液晶モニターは販売されていません。
最高の選択は8Kの高解像度モニター
まとめ
43UN700は画素密度が低いので細い文字が見難いことが最大の難点です。
なのでどちらかというと細くて小さい文字を見るような使い方よりも、映画やTV、ゲームなどの動画を鑑賞するのに使う方が向いています。
いっぽうのEV3285は画素密度が高く高繊細で細くて細かい文字もクッキリと綺麗に表示されるので文字が見やすいです。
それと長時間液晶モニターを使うときはEV3285のほうが目が疲れません。
EV3285は画面のちらつきをカットする機能が付いていますが、43UN700には付いていないので、長時間モニターを見ていると目に強烈な残像の影が残ることがあります。EV3285だけを使っている時は一度も起きなかった現象です。
とはいえ、EV3285は等倍表示だと文字が小さくなりすぎて見難いことが最大の難点です。高繊細なのでたしかに細い文字がクッキリして見やすいのですが、表示パネルの面積が小さいので、拡大しないと文字が小さすぎて顔を液晶モニターに近づけないと見難いです。
なのでEV3285は等倍で表示すると文字が小さすぎるので、OS側で125%に拡大表示しないと実質まともには使えません。
そうなると、表示領域が25%も狭くなるので作業効率が落ちるという悪循環になってしまうことがEV3285の最も残念な点です。
まとめると、製品自体の質感と満足度、文字の見やすさはEV3285のほうが上です。
価格に対する性能の良さ(コスパの高さ)、等倍でも文字が小さくならないため作業領域の広さは43UN700の圧勝です。
両機の良いとこどりの液晶モニターが売っていればすべて解決するのですが、現状全てのニーズを満たす液晶モニターは存在しません。
理想はEIZOの8K高繊細・高解像度の液晶モニターです。
つまりEV3285の42.5インチ8K版です。
手頃な価格で発売されたら迷わず購入します。
- EV3285のほうが液晶パネルの品質が高い。表示がクッキリスッキリしていて細い文字も綺麗で見やすい
- EV3285は等倍表示だと文字やアイコンが小さすぎて見難い。125%に拡大すると表示領域が25%少なくなるというジレンマが存在する
- 43UN700は表示領域が大きいので4K最大解像度の等倍表示でも文字やアイコンは小さくならないので見やすい
- 43UN700は液晶パネルの画素密度が粗いのでぼやけた感があり、小さいフォントはかすれてしまって非常に見えづらく視認性が悪い
- 43UN700は価格の割には性能が良いので割安感もあり満足度も悪くない
- とにかく広いディスクトップ作業領域が必要な場合は43UN700はおすすめ
- 小さな文字を扱う作業をする場合や、見やすくて高画質にこだわる場合はEV3285がおすすめ
- 液晶パネルの端に薄黄色のにじみがあるのは両機とも同じなので初期不良ではない
- モニターアームを使う場合はEV3285のほうが対応製品が多くて安価
- 画質設定と色の調整は圧倒的にEV3285のほうが簡単で楽
- 付属のスタンドの使い勝手は高さ調整ができるEV3285のほうが良い
- 43UN700は梱包サイズも重量も大きいので返品や譲渡が大変