2021年7月にAmazonで購入したサムスン EVO Plus 512GB microSDXCカード(MB-MC512HA)の並行輸入品が偽物でした。その詳細なレポートです。
具体的な偽物と本物のメモリカードの外見上の差異を検証し、見分け方も載せています。
この記事はこんな人におすすめ!
- Samsung EVO Plus MB-MC512HAの本物か偽物かの判定をしたい
購入経緯
2021年7月12日(月)にAmazonで下記の商品を購入しました。
商品名:
microSDXC 512GB EVO Plus UHS-I Class10 U3 4K対応 Samsung サムスン 専用SDアダプター付 [並行輸入品]
コンディション:
中古品 – 非常に良い – 商品本体は未使用で新品同様です。外装に多少の傷があります。
出荷元:Amazon
販売元:Amazonアウトレット
正規品の型番 MB-MC512HAと同等の並行輸入品です。
![MB-MC512HA 偽物の実際のAmazon販売画面](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-036.jpg)
Amazonほどの世界的大企業が意図的に偽物を販売しているとは考えにくいので、
次の2つの可能性を考察してみました。
- Amazonは偽物だと気づかずに販売している
- 返品された際に偽物にすり替えられたことに気づかずに販売している
①の可能性は低いため、②が濃厚だと思います。
Amazonは明らかに返品されてきた商品を確認せずにアウトレット品として販売しているようです。
販売元がAmazonアウトレットになっている商品への信用がなくなったのは紛れもない事実です。
![amazonアウトレット検品済みのシールが張ってある偽物SDカード](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-012.jpg)
偽物と本物の比較
偽物と本物をを比較してみたところ、明確な違いがありました。
パッケージの裏表、変換アダプタの裏表、microSDカード本体の裏表の違いを検証しました。
パッケージ
偽物のパッケージに貼ってあったamazonアウトレット検品済みのシールを剥がして比較してみました。
表側
明確な違いはパッケージ外周のシーリングです。
偽物のほうはパッケージ周囲のシーリングの凸凹がハッキリしていて目立ちます。
反対に、本物はシーリングの凹凸がありません。
![MB-MC512HA 偽物のパッケージ(表側)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-014.jpg)
![MB-MC512HA 本物のパッケージ(表側)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-038.jpg)
裏側
パッケージの裏側は明確な違いがあります。
表示のレイアウトが異なります。
![MB-MC512HA 偽物のパッケージ(裏側)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-013.jpg)
![MB-MC512HA 本物のパッケージ(裏側)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-039.jpg)
偽物はシーリングがずさん
偽物のパッケージはシーリング状態がずさんです。
開封してメモリカードを取り出す際に、側面が開いてしまいました。
本物のパッケージはこのように開いてしまうことはありません。
![偽物のパッケージは中身を取り出す際にシーリング部分が開く](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-019.jpg)
SD変換アダプター
よく見比べないと、どちらが本物か偽物なのか見分けがつかないほど似ています。
表側
若干、偽物のほうが灰色の部分が薄いです。
![左側が偽物の変換アダプタ。右側が本物の変換アダプタ](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-021.jpg)
裏側
SD変換アダプタの裏側では違いは判りませんでした。
非常に本物に似せて作られています。
![左側が偽物の変換アダプタ裏面。右側が本物の変換アダプタ裏面](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-024.jpg)
メモリカード本体
表側
並べて比較してみると、
上部のSAMSUNGのフォントの濃さが異なります。
赤色の色味が異なります。
表面全体の質感が異なります。偽物のほうにはテカリとザラツキがあります。
![左側が偽物のメモリカード本体(表側)。右側が本物のメモリカード本体(表側)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-020.jpg)
裏側
偽物のほうは文字数が少ないです。
メモリカード本体周囲のエッジの加工精度が偽物のほうが荒いです。
本物は加工精度がよく、エッジの線が滑らかです。
![左側が偽物のメモリカード本体(裏側)。右側が本物のメモリカード本体(裏側)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-022.jpg)
変換アダプタとメモリカード本体を並べて比較
変換アダプタとメモリカード本体を同時に並べて比較してみました。
並べて比べた方が偽物と本物の差異が浮き彫りになります。
表面
並べて見比べないと判別は付きにくいですが、偽物のほうが色味が濃いです。
本物は色が薄いです。
メモリカード本体と変換アダプタともに偽物のほうは表面にザラツキがあります。
本物のほうは表面が滑らかです。
![偽物の変換アダプタ(表面)とメモリカード本体(表面)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-042.jpg)
![本物の変換アダプタ(表面)とメモリカード本体(表面)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-040.jpg)
裏面
偽物のほうが文字数が少なく、色濃くはっきりと刻印されています。
いっぽう、本物のほうは偽物と比較するとアダプタの文字の色が薄く、SDカード本体の文字数が多く、文字の大きさが小さいです。
![偽物の変換アダプタ(裏面)とメモリカード本体(裏面)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-023.jpg)
![本物の変換アダプタ(裏面)とメモリカード本体(裏面)](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-025.jpg)
ソフトウェアを利用した比較
外見上も明らかな差異がありましたが、念のためソフトウェアを利用して記録容量や転送速度の違いを検証してみました。
h2testw
h2testwは記憶容量の偽装をチェックすることが可能なフリーソフトです。
すべての記憶領域に正常にデータの書き込みができるかのテストを実施後に、書き込んだデータを正常に読み込めるのかをテストをすることができます。
本物メモリカードはデータの書き込みと読み込みにそれぞれ1時間半~2時間位かかりました。
いっぽう、偽物メモリカードは書き込みだけで約13時間30分かかりました。
明らかに偽物であり、長時間読み込み確認をするまでもないため、偽物の読み込み確認は途中で中断しています。
偽物
読書き速度の平均が10MB/s前後と非常に遅いです。
さらに、書き込んだデータの33GBが消失して読み込めていません。
表示記憶容量500GBのうちの33GB分は偽装のようです。
もともとは477GBの容量のメモリカードを、
33GB分水増し偽装して、500GBにしていること自体が意味不明です。
なので極端に低容量のメモリカードを512GBと偽っている訳では無いので、
容量偽装と言えるかはなんだか微妙なところですね。
※本物(正規品)も表示容量は512GBですが、実際に利用できる記憶容量は477GBです。
![MB-MC512HA 偽物の h2testw(データ読書きテストツール)結果](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-035.jpg)
本物
本物はデータの平均読み書き速度は70~80MB/sほどです。
![MB-MC512HA 本物の h2testw(データ読書きテストツール)結果](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-026.jpg)
CrystalDiskMark 8
CrystalDiskMarkはストレージの読書き速度を測定できるフリーソフトです。
偽物と本物では明らかな速度の違いが計測されました。
いずれもUSB3.0対応のデバイスで測定しています。
偽物
激遅です。読書き共に10MB/sほどしか速度が出ていません。
![MB-MC512HA 偽物の CrystalDiskMark 8(ストレージベンチマークソフト)結果](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-.jpg)
本物
仕様どおりの100MB/sに近い速度が出ています。
![MB-MC512HA 本物の CrystalDiskMark 8(ストレージベンチマークソフト)結果](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-000.jpg)
Samsung Card-UFD Authentication Utility
Samsung Card-UFD Authentication Utilityはサムスンの公式サイトのサポートページから無料でダウンロードできる偽物か本物か判定してくれる無料のソフトです。
偽物
偽物は「Either not a Genuine Samsung product or cannot authenticate product’s software」(翻訳:正規のSamsung製品ではないか、製品のソフトウェアを認証できません)と表示されます。
![Samsung Card-UFD Authentication Utility(正規品かどうかをチェックするソフト)の結果 偽物の場合の表示](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-044.jpg)
本物
本物は「Genuine Samsung product」(翻訳:本物のSamsung製品)と表示されます。
![Samsung Card-UFD Authentication Utility(正規品かどうかをチェックするソフト)の結果 本物の場合の表示](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-043.jpg)
後日談
この記事を書いている最中に、
偽物のメモリカードが完全に壊れて認識不可能になりました。
偽物だと気づかずに使用していたらと思うとぞっとします。。
返品処理
Amazonでは購入した商品が届いてから1か月以内なら返品できるので、返品の申請を実施しました。
2021年の8月17日に返金処理されました。
![Amazonアウトレットで購入した偽物SDカードが無事に返金処理されました](https://taikenlog.jp/wp-content/uploads/2021/07/fake-microsdcard-045.jpg)
まとめ
今まで数十枚の並行輸入のマイクロSDメモリカードを購入していますが、偽物に当たったのは初めての体験でした。
よりによって、Webショッピングの9割でAmazonを利用しているヘビーユーザーでもあるので、衝撃度は計り知れないものがありました。
しかも、信頼度No1のAmazonが出荷と販売の両方を担っているのにです。
Amazonのアウトレット品は商品の管理がずさんだということが今回の件でよくわかりました。
言い換えればAmazonでさえ、偽物か本物かの見分けがつかないほど、偽物SDカードが良く出来ているということだと思います。
とくに、店頭で現物を確認することが不可能なWebショッピングだと、購入者側で出来る防衛手段は、信頼できるサイトから購入することぐらいしかないので、今回のように出荷と販売ともにAmazonの商品が偽物だったとなると、高価な国内正規品と明示されているものを購入することぐらいしか防衛手段が思いつきません。
Amzonアウトレットで並行輸入のSDカードを購入するのは避けたほうが無難