群馬県の四万温泉 積善館で開催されている 歴史ツアーのようすをレポートします。
この記事はこんな人におすすめ!
- 積善館の 歴史ツアー のようすが知りたい
積善館 歴史ツアーの詳細情報
積善館で開催されている 歴史ツアーは
積善館の19代 社長(亭主)の黒澤大二郎さんが積善館の歴史をプロジェクターで解説してくれます。
四万温泉や積善館の歴史や湯治の歴史を積善館の社長が説明する約45分のツアーです
参加費は無料で予約は必要ありません。
社長が一人で実施しているので体調などによりツアーの開催は基本的には不定期のようです。
私が利用した時は
月・水・金・土の
15:30~16:45に開催されていました。
積善館 歴史ツアーのようす
15時半にちょうどに集合場所の本館3階に行くと既に10名ほどのお客さんが集まっていました。
会場は土禁なので、旅館のスリッパを脱いで畳敷きの部屋の座布団に座ると
直ぐに積善館の歴史を解説するスライドがスタートしました。
スライド説明の内容
最初は四万温泉の場所の説明
- 新潟県の県境に近い山岳部に位置していて標高は770mほど
- 江戸時代の初めまでは山を越えて四万温泉まで人々がやってきた
- 国道353号線は不通区間が存在する
- 積善館の全景の説明
本館は年代の異なる複数の建物
山荘は1936年造の木造2階建 国登録有形文化財
佳松亭は1985年造の鉄筋4階建
積善館 歴史ツアーのスライド説明 積善館本館(玄関棟部分)
次は積善館本館の建物についての歴史を説明
- 積善館本館の玄関部分の造られた年代
全体は木造3階建 群馬県の重要文化財
3階部分は1897年頃に造られた
1~2階部分は1691年に造られた - 昔は2階が外廊下になっていて、滞在客の炊事場として利用されいていた
昔の人たちが山奥にある積善館に来た理由
- 湯治の説明
- 医療が発達していない時代の温泉の役割
- 四万温泉の効能として胃腸病に効く
- 草津温泉の説明
積善館 歴史ツアーのスライド説明 四万温泉の効能
ジブリアニメ映画「千と千尋の神隠し」と宮崎駿監督の話
- スライドで実際の積善館の写真と「千と千尋の神隠し」の類似シーンの比較
- 映画作成前に宮崎駿監督が積善館に宿泊した話
- 積善館の社長がテレビに出た話
「千と千尋の神隠し」は積善館のデザインをモデルにしている
スライドの比較でわかったことは、積善館の写真と「千と千尋の神隠し」のシーンは似ている箇所が多いことです。
とくに”油屋”の建物は、”元禄の湯”の建物と非常に似ています。
1階の浴室部分はコンクリート造で2階から上は木造のところなんて、映画の”油屋”とそっくりです。
積善館のデザインを多少なりとも参考にしているのは間違いなさそうです。
少なくても宮崎駿監督に影響を与えたことは確かです。
このスライドの説明中に足が痺れてしまい大変でした。
何回も足を動かしたりしてこらえてました。
館内の説明
スライドが終わったら、
館内にある歴史的要所の説明がはじまりました。
皆スリッパをはいて移動です。
会場の正面にある、現在は重要文化財になってしまって客室として利用していない部屋に入って、赤い欄干の橋の風景やらの説明がはじまりました。
で、少し場所を移動して、本館2階廊下の説明がありました。
昔の外廊下
この廊下は昔は外廊下だったので自炊をしていた場所だそうです。
そして、当時の滞在客の食事事情などの説明がありました。
なんでも、昔は持ってきた米を旅館に渡せば炊いてくれたが、おかずは自前で準備しないといけなかったそうです。
湯治の滞在期間も2~3週間から1か月ぐらいはあったそうです。
それと、昔は電気も暖房も無いので冬季期間は営業していなかったそうで、春から秋だけ積善館は営業していたそうです。
次に浪漫のトンネルに移動して、トンネルから地下水が湧き出てくるので排水溝に流しているという説明がありました。
上段の間
最後に本館1階玄関横にある歴史資料館の奥にある”上段の間”に移動しました。
この部屋だけ他の部屋よりも天井が高いのですが、その理由は武士が宿泊したとき、
万が一の際に、刀を振りおろすのに支障がないようにしていたそうです。
歴史ツアーの質疑応答タイム
”上段の間”の説明が終わったところで、質問タイムがはじまりました。
何でも質問OKで、3つぐらい質疑応答が終わったら、参加者全員で記念撮影をして終わりました。
なんでも、その時の集合写真をFacebookに写真をアップするそうです。
歴史資料館
ついでに歴史資料館を見学しました。何やら相当な年代物の品々でいっぱいです。
積善館 歴史ツアーに参加した感想や気づき
結局のところ、この歴史ツアーに参加してよくわかったことは”湯治”の歴史と温泉の役割でした。
今みたいに病院や薬が無い時代は温泉は病院の代わりの役割を担っていたということです。
そして、電気や移動手段が無い時代なので、馬や徒歩で何日もかけて病気を治すために積善館の温泉で病気を治していたことがよくわかりました。
反面、温泉には病気の人が訪れていたというネガティブな印象も同時に抱いたのも確かです。
昔の人たちの苦労は現代の我々には想像すらできないことです。
そういった情報を積善館の社長(亭主)が語り草として人々に伝える役割を担っているのだなと思いました。
説明しているときのイキイキとした積善館の社長(亭主)が印象的でした。
積善館を訪れた際は是非、歴史ツアーに参加することをおすすめします。
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