小笠原諸島 南島の場所や行き方、ツアーのようすなどを解説する。
この記事はこんな人におすすめ!
- 南島上陸ツアーのようすが知りたい
南島(みなみじま)の詳細情報
南島の情報をまとめてみた。
- 2008年3月に南島全体が国の天然記念物になった
- 父島の南西にある無人島
- カルスト地形という石灰岩などの水に溶けやすい岩石でできた大地が雨水や地下水などによって侵食されてできた島
- 昔は低木が生い茂っていたがヤギによる食害で現在のようなまだらに地面が露出した姿になった
- 1960年代にヤギが駆除された
南島の場所
小笠原諸島にある南島は、父島のおがさわら丸が停泊している二見港の近く船着き場からボートで20分ほどの場所にある。
南島の入島ルール
南島は天然記念物なので入島には細かいルールがある。
- 2003年からは自然保護のため観光客の入島にルールが決められた
- 個人での入島は制限されていて、ガイドが同行しない上陸できない
- 上陸する前に外来動植物を持ち込まないために靴を海水で洗い流す必要がる
- 1日当たりの入島人数は100人まで、上陸時間は2時間までとルールが設けられている
- 11月~2月(年末年始は除く)までの約3ヶ月間は植生回復のため入島禁止になる。だが禁止期間中でも扇池の砂浜まではOKらしいので、波が無い日は西側の扇池から泳いで上陸できるようだ
南島に上陸する方法
南島に桟橋はないので下記3つの上陸方法がある
- 船で南側の入り江(鮫池)に入って船先を接岸させて島に上陸する
- 西側の入り江(扇池)からカヤックで上陸する
- 西側の入り江(扇池)から泳いで上陸する
①の方法で上陸できないときは周辺の海域も波が高いので必然的に②や③も難しくなる。
しかし、ツアー船のサイズが大きために狭い岩礁を通過できないのが原因で①の上陸方法がダメだった場合は②か③であれば上陸できる可能性は高い。
②のカヤックや③の泳いで行く場合はすべての人が受け入れられる方法ではないので事前にツアー業者に確認することおすすめする。
またはその逆に、波が穏やかな日でもあえて②や③の方法で上陸をしたい人もいるはず。その場合はそれを売りにしているツアーを探せばいい。おそらくほとんどないはずだ。
いずれにせよ①の鮫池から上陸できない場合、その日は南島には上陸できないと思ったほうがいい。なぜなら②の泳いだり③のシーカヤックでの上陸は波が高いと無理だからだ。
南島に上陸するために入る湾(鮫池と呼ばれている)は、その入口が狭く、岩礁もあるため、海況や風向きが悪いときは湾に入ることができず、南島への上陸観光ができないことがある。
詳細は後述するが、南島に上陸する際にもっとも大事なのは船のサイズになる。
①船で南側の入り江(鮫池)に入って船先を接岸させて上陸する
南島への上陸は鮫池から上陸するのが一般的で最も多い。
現在は上陸用の階段が設置されているので昔のように岩をよじ登る必要はない。
②西側の入り江(扇池)からカヤックで上陸する
シーカヤックで扇池に上陸するのはアクティビティ(遊び)な方法になる。
この上陸方法が3つのなかでもっとも経費がかかるので実施しているツアーは少ない。
そもそもシーカヤックは波に弱く天候に影響されるので波が高い日は開催されない。
③西側の入り江(扇池)から泳いで上陸する
泳いで扇池に上陸するのもアクティビティ(遊び)な方法になる。
シーカヤックよりも実施しているツアーは多い。
こちらもシーカヤックと同様に波が高い日は危険なので開催されない。
南島に上陸する方法はツアー船長の判断次第
南の鮫池側に波がある場合は、西の扇池から泳いで上陸になり、そこにも波がある場合は南島への上陸は不可能となる。
上陸をするかどうかは当日南島に到着後に海の様子を見て船長が判断する。
南島に船で上陸する場合の最重要ポイント
実は船のサイズが小さければ小さいほど、南島の南側にある入り江の鮫池から上陸できる可能性は高くなる。
なぜなら、小さい船ほど南島入り江の出入口にある狭い岩礁を通過できる確率が高くなるからだ。
なので出来ることならなるべく小さいボートで行くと上陸できる可能性は高い。
つまり、波が高い時に大きな船だと波にあおられて海底の岩礁にぶつかる危険が高くなるが、小さい船だと岩礁に当たる可能性が低くなるというわけ。
それと潮の満ち引きによっても危険度は変化する。
海面が高く(満潮)なっているほど船と海底の岩礁との隙間が大きくなるので入り江の岩礁を通過できる可能性は高い。
南島の入り江(鮫池)の出入口にある岩礁
南島の鮫池の入り口 写真中央の岩礁の間を通過する必要がある
↑鮫池の出入口は狭く岩礁があるため、その隙間に船を通さないといけない。
船体のサイズが小さいほど岩礁の間を通りやすくなる。
南島ツアーを選ぶ際の注意点
南島上陸ツアーを選ぶ時の最重要ポイントを書く。
波が高い日は船体のサイズが小さいほど岩礁を通過しやすいので上陸できる確率は高くなる。
大きな船だとダメな状況でも小さいボートだとほぼ100%大丈夫なぐらい上陸できるそうだ。
なので、どうしても上陸したい場合は小さい船(ボート)を使っているツアー業者を選ぶ必要がある。
ツアーで使用予定の船の大きさについてはツアー業者に問い合わせるしかないが、ある程度は事前に海の状態は把握できるのでショップが所有している一番サイズが小さい船で開催するはずだ。
繁忙期ほどツアー船は大きくなる
同じツアー業者でも大きさの違う船を何艘か所有している場合が多い。
つまり、お客さんが少ない時は小さな船を出し、お客さんが多いときは大きな船を出す。
なので、繁忙期を避けるのが小さい船を出してくれる可能性が最も高くなる。
例えばおがさわら丸が出港していて父島にいないときはお客さんが圧倒的に少なくなるので、小さな船(ボート)で南島に上陸するツアー業者が増えるはずだ。
だが、それを実践するには最低2航海必要になる。
※2航海の意味は下記参照
2航海とは
通常、おがさわら丸は東京の竹芝⇔父島を5泊6日間で往復してる(往復2日+停泊3日間、時期によって変動あり) 小笠原ではこれを1航海と言う。
つまり、2航海は小笠原での滞在期間が1週間以上になる。
おがさわら丸が出港していて港にいない時は父島に観光客はほとんどいなくなる。
南島上陸ツアーのようす
今回、竹ネイチャーアカデミー(TEL:0498-2-3305)の
南島上陸 半日コース 8:30~11:30 約3時間 1人税込8000円を利用した。
南島上陸ツアー船の乗り場と集合場所
小笠原二見港船客待合所の南西にある青灯台の前が集合場所になる。
事前に頼めば無料で車で宿まで迎えに来てくれる。
南島上陸ツアー船のサイズ
今回利用した日はおがさわら丸が出港していて父島にいない日だったのでツアーガイドさんを入れて計4名。
少人数なのでツアー船は小型ボートだった。
全長約6m 幅約2mの小さなボート
南島上陸ツアー船上からの風景
南島上陸ツアー当日は雲は多いが晴れ間のある中途半端な天気だった。
この日の翌日は雨が降った。
天気は下り坂に向かい低気圧が発達している最中だった。
南島 鮫池入り口の岩礁を通過
鮫池から南島に上陸
南島には桟橋がないので上陸の際は船の舳先から岩の上へ降り立つことになる。
植生保護のため上陸前に靴を洗う
南島上陸 岩場を登るルート
今回は人数が少ないのでアクティビティ(遊び)で岩場から上陸することになった。
南島上陸用の階段
なんでもこの階段は最近できたそうで、それまではさっきのように岩をよじ登っていた。
南島 鮫池 (さめいけ)
鮫池とは南島の南側にある入り江のこと
南島 鮫池の海中のようす
南島の南側を散策
南島の南側に咲いていた野花
南島の丘(東尾根)
南島東側の丘(東尾根)を登ることに。
道中は草木が生えていないので登りやすい。
観光客が歩く道に石が埋め込まれているのと同様で手入れされている。
南島の丘(東尾根)登頂
南島は”ラピエ”と呼ばれる石灰岩が永い年月をかけて風化してできた鋭く尖った岩でできている
南島の丘(東尾根)頂上からの眺望
南島 陰陽池
南島 扇池
この南島の西側にある扇池は、スタジオジブリの作品「紅の豚」の隠れ家のモデルになったという噂もある。
南島 扇池の岩場のようす
南島 扇池の水中のようす
↑扇池の海中は透明度はよくなかった。色も乳白色。
陸から扇池を見た方が色は綺麗だ。
南島 扇池の砂浜(扇浜)のようす
南島の扇池の砂浜(扇浜)は熱くない。砂の構造が他のビーチの砂と異なるらしく熱を持たないからだという。なので真夏の炎天下でも素足で歩くことができる。
ウミガメが産卵した跡
”アオウミガメ”の産卵場所でもあるそうで砂浜に木の棒が立てられているところが数箇所あった。なんでも卵がある目印だそう。
南島 扇池周辺の風景
南島の扇池周辺は石灰岩が侵食や風化を受けてできた「カルスト地形」で、この扇池はすり鉢状の窪地になっている。
南島の扇池周辺のカルスト地形
南島の独特でユニークな景観を醸し出している最大の特長はこのカルスト地形だ。
扇池からみた周囲はまさに絶景。まるで違う惑星にいるかのよう。
南島上陸ツアー帰り
鮫池の階段から乗船
鮫池出口の岩礁を通過
父島の上の雲
ジニービーチ
ジョンビーチ
ジニービーチへは陸路はなく、海からポートやカヤックでのみ上陸が可能。
潮流が速いらしくシュノーケリングは危険。
ジョンビーチは陸路で行くこともできるが山道がハードで大変。
※ジニービーチは徒歩で行くのは不可能ではないがすごく大変なようだ。
扇浦海岸の沖(要岩)でシュノーケリング
南島上陸ツアー帰りの道中はイルカを探していたがまったくいなかったので、扇浦海岸と境浦海岸の中間地点の沖にある要岩でシュノーケリングした。
ここでのシュノーケリングのようすは別の記事としてまとめている↓
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二見港に帰港
まとめ
南島は小笠原諸島の中でもとびっきりの絶景がみれる一押しのスポット。
南島の魅力はなんといっても南島の真ん中にある小さな入り江「扇池」これに尽きる。
エメラルドグリーンに輝く海「扇池」と一面に広がる白い砂浜「扇浜」は息を呑む美しさ。
そしてこの「扇浜」から見る周りの素晴らしい景色。
とにかく真っ白な砂浜と青い海のコントラストが最高。
というわけで小笠原に来たからには絶対に南島に行くことを強くおススメする。
南島上陸ツアーの帰りに寄った扇浦海岸沖の要岩でシュノーケリングしたときのようすは別の記事にまとめている↓
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